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2試合目勝利の報酬、コインの使い方を決める、であるが、得たのはあくまで決める権利であり、それを今は決定せず保留とした。後でどうとでも出来るようにな。それが悪漢的かしこさである。詐欺のような交渉術ばかり上手い。
さて、3試合目も楽勝ムード、と言うところで魔王側から待ったがかかった。
曰く、先の2人は武闘派でならしているため勝てないとわかっていても正々堂々戦ったが、次は戦闘に直接関わらない魔王であるため、ハンディキャップ、というか、公平な勝負にして欲しい、と。
なるほど、プライドの魔王が誇りを懸けて戦ったわけね。そんで言葉も掛かってて金も賭けてでかけまくってるわけだ。俺も何かかけまくりたいぜ。花嫁とか潔白とかそんな感じの何かに。何かを。
「そこで、我らがこの第3試合で提示する勝負はこちらです」
ででん。と口にして高々と黒板を掲げるディアブロ。石墨で達筆に記したそれは、
叩いて被ってじゃんけんぽん。
異なる星から来たものが伝えたという神明裁判の儀。
あくまで正しさを示すための儀式なので、槌で叩かれても血肉を失うことはなく代わりに服が破ける。
いつかの過去生が、それは実質野球拳では、と囁く。俺の中には故事に強い奴もいたらしい。
おねーさんズがその提案を承認して決定となった。
闘技場のおねーさんが誰もいないとこに耳を傾けてふむふむ、とうなずき、いいですってー、と応えていたので、みんな慌ててその方向に平伏した。観にきててしかもそこにおるんかい神様本体。
そうして現れた魔王側の選手は、なんと、無食子の、はるか昔には楢の民と呼ばれていた種族出身の紳士だった。クソガキ王子様のヘソ肩背中出し服など、定期的に俺たちにエロい服くれるおじさんである。
ちなみにソテー氏という名前がある。氏は氏族の氏である。氏族代表してるから名前もソテー氏らしい。善くわからん風習だ。
ソテーにするのが1番美味かったからソテー氏族と名乗ったらしく、這鼠刺たちもそうだが食肉目的で他種族に狩られがちな人類は、逆にその事に誇りを持つようである。あ、オレそんな美味いんだ、なんか自己肯定感上がるな。って感じなのかな。なんだそりゃ。是非ともソフトロウ氏に出会いたいぜ。絞りとって鍋や天ぷらだな。
「お前、最初からか?これ目的で?善いねぇ。やるな!策士だな!」
「ピギィ?いえ、私、オークの服飾業界では魔王と呼ばれておりまして」
「ああ、天才鬼才への敬称的な?」
「はい」
「え、それだけ?」
「はい、なんか、ぶちあげたは良いけど、魔王7人しかいないけどどないしよ。みたいに悩んでらしたので」
ついさっき魔王になった感じかよ!?いや、ファッション界でずっと魔王として君臨してたのかもしれんが!
さっきから知り合いばっかりだから、てっきり機を窺って今まで潜伏していた反抗勢力かとワクワクしていたんだが、何か、行き当たりばったりっぽいのかね?
「ピギィ。確か4人目の方も知り合いだとおっしゃってましたよ」
えぇ?誰だろ。腹パン神官?伊達鼠のミッキーマーティン?
「確か、キャンディパニック☆雨霰。と名乗っておられましたよ?」
いや、誰だよ!?