candy-panic☆spicy-picnic3
「お昼ご飯は当然ウチの屋台で食べますよね?ね?」
「いえいえここはライ君直伝のソバガキをぜひ」
「たまには宿屋のご飯も食べてほしいかな」
「子羊を裁きましたわぁ。モツをケーシングしたレバーソーセージ、これ一本で朝飯パクパクですわ」
「ピギィ。ソテーにする?ソフトロウ?それともわ・た・し?」
「んー?訓練所って名物あったかなー?ビール?」
これまでの試合に参加した悪魔たちとおねーさんズから猛烈に食事勧められてるのだがなんだこれ。接待?幼生ソテー氏だけ食われようとしてるの止めてほしいが。ソフトロウは興味あるけど。流石に6人全部は食えんぞ。こちとらサキュバスぞ。あ、6人全部食えるわ。そういう事なら。
「んー。精のつくものねー。あ、じゃあ私の精気吸うー?」
「是非とも!」
「「「「あ、ズルい!大人はおーぼーだ!」」」」
少年少女から猛反発がきた。色気の無い誘いだったが何しろ誘い自体が稀有だから是非ともお願いしたかったのに。
しかし地母神の1側面であるために、こういう少年少女の子供ぶった抗議には母性が刺激されて人間の言いなりになるのでもうこの場で精気を吸うことは出来ない。おのれ。
この神様、そういう事情で地上にとどまってんじゃね?もしかして。人類に希望を見出だしてとかじゃなくて。
「何だ貴様ら。よってたかってご自慢の逸物を食らわせようと……何か仕込んだな?」
ギクリ、と少年少女が揺れる。おねーさんズはきょとんとしていた無罪顔だ。まあ、宿屋おねーさんだけは、なんでお前ごときどうにかするのに搦め手使う必要があるんだ?といった顔つきだったから本当に怖いあの人だけ。
「ハッ!いや、待て、ソバガキってもしかして」
「はい!蕎麦粉を練ってお餅にしたもので、急に興味失う!?」
なんだ。なんかメスガキの特殊な派生系なのかと思ったのに。
何かアヤシーから今日はビールとソーセージと、キャベツとニンジンピクルスで決まりだな。おねーさんズ3人の料理、ってか誘った割にはソーセージ以外は副菜系しか食わせる気なかったじゃねぇか。いやウマイけどよキャベツもビールも。
「ぐ、ぐぎぎぎぎぃ!負けたくない。負けたくないぃぃぃ!」
凄い形相で地に伏し砂を噛む傲慢の魔王ルーシーちゃん。プライドが高すぎる。知り合って2年近くだがこんな子だったんかい。面白いな。
「あんしんして、ルーちゃん。僕に任せて」
「あ、ライ君!」
今まで何処にいたのか俺のゴミ箱、癖歪み忍者ライ麦畑。男らしくも慈母のごとき笑みでルーシーちゃんを見つめる。ほう。主君に逆らい恋人をとるのか。大したサムライスピリッツの持ち主だぜ。
どぉれ、1つ見せてもらおうか。完全にソーセージの気分になった俺の心が、果たしてメスガキの偽物みたいな料理に傾くかな?
「じゃーん!これが我が故郷の秘伝料理、女体盛りでゴザルー!!」
「今日のご飯はこれで決まりだぁぁぁぁー!」
体型が女体なだけのライ麦畑が皿になってるので女体盛り(♂)だが、全然問題ないね!泥抜きした鯉をスライスして各所に美しく並べた至高の芸術が目の前に現れた。
なるほど、つまりソバガキとはいつも側に侍るオスガキのことだったのだな?究極の料理だ。どんどん食欲が増すぜ。これは完食せねば。
ムムッ。こいつ、こんなところにレバーソーセージとザワークラウトまで仕込みやがって、特にザワークラウトはこまめに収穫せねば。すぐモジャモジャはえてくるからな。キャベツは逞しいから。ムムムッ。おお、ついでにビールとソフトロウも摂取しよう。何てことだ。ライ麦畑ってば完全栄養食だったのか。ムムムムムッ。
「ぐぎぎぎぎぃ!ライ君、一緒にいる時はしない顔で、悔しい。悔しいぃ」
「良いわね。底なしな傲慢さで」
「力づくで奪うのですわ!それが出来なければ骨も残りませんわよルーシー!」
「やっぱり徹頭徹尾、暴力が1番だよねー」
「ピギィ。女神さま、悪魔たる我らも見守ってくださるとは、何と慈悲深い」
「私!私の料理の要素も混ぜてくださいー!ウナギですよー!」
「何?ウナギ?採用だ!」
「わーい!」
「はううぅぅぅぅぅーん!!すごぉぉぉぉぉい!!!」