candy-panic☆spicy-picnic
少女趣味狂いの、刺激的な冒険
「久しぶりねぇTyouzetu☆BeSyounen。あなたはどうせ覚えてないでしょうけど」
何か知らない人に知らない呼び名で声かけられた。星を象った魔法使いの杖を持ち、フリフリフリルカラフルな服を身に付けている。
「おーおー久しぶりー。どおよ。久しぶりついでに今晩。昔みたいにさー」
「オーケー超絶☆美少年。確実に覚えてないことがわかったわ。てか、毎回変わりすぎなのよあなたは。気持ちはわかるけど」
ちっ。ナンパ失敗か。クソガキ王子様の護衛娘とかならノリと勢いでなし崩しなのによ。気が強いフリをしてる女子はタイミングを外して揺さぶりかければ魅了の通りが善いからな。
「次は私が悪魔側で出るから、その報告だけしに来たわ。礼儀として。あなたは覚えてないでしょうけど」
ふむ。覚えがないな。しかし、大事なのは今だぜお嬢さん。今晩忘れられない夜にしてしまえば善いんじゃないかな?
「あなたとだけはゴメンだわ」
ムムムッ。言葉尻だけ捉えれば断固拒否って感じだが、わざと無表情を装い、目の開き方のみが悲痛な感情を訴えていて、とても善い顔である。好悪を超えた強い思いによって心が千千に乱れている。堪らないね。快楽と屈辱で更にぐちゃぐちゃにしてやりたいぜ。ムムムムムッ。
「うわ、本気なのね。てかスカートそんなことになるのね。恥ずかしく、ないのよねそんな堂々として」
ふふん。地母神の申し子だぜ俺は。何を恥じることがある。恥じるほうが宗教倫理的に不健全だ。積極的に撒き散らしてイキたいぜ全くよ。
「まあ善いわ。Brilliant-Twinkle。自己しょ」
お、じゃあ今晩
「そういう意味で言ったんじゃないわB-T。改めて自己紹介を。私はキャンディパニック☆雨霰。滴り堕ちるものの魔王、をしているわ」
うまそうな魔王さまだぜ。肉汁の滴るような。
「堕落、流星、絞首台、何でも善いけど、落ちるものは全て私の権能の及ぶところ。覚悟することね」
だってよ。おねーさん?
「ふむ。ならば今回はキミの得意分野でいこうか。落ちるものが得意ならばできるはずさ」
4試合目の為に会場に入ってきたのは図書室のおねーさん。これまでのおねーさんズと違い普通に入ってきた。最狂と名高いおねーさんだから、神懸った演出とかにも拘りがないのかもしれない。
狂乱を司る側面でもないのに最狂と呼ばれるということは、単純に神らしくない振る舞いが多いということである。曲がり神、という奴だな。
我らが死と闇の女王の、叡智と病の側面なのかもしれない。頭の善い奴は時々気が触れるからな。先鋭化して異端派になったりとか。
やはり、ほどほどに鈍感でバカなほうが世の中楽しめるのさ。これぞ悪漢的処世術。刹那快楽を求めるのだ。癖歪み忍者どこ行っただろ?この盛り上がったスカートを直して欲しいぜ。