百合しか勝たん、と思っている女性?がこぞって集まってくる島、その名も『ユリトピア』
コンパクトな譚となっていますので、もしよければ暇つぶしにでもお読みください・・・
ここは、百合好きの者が百合を愛でたり語ったり、あるいはパートナーを見つけるためにこぞって集まってくる夢の島ならぬ『ユリトピア』。
いわば、百合好きの百合好きによる百合好きのための島である。
ここ、ユリトピアに足を踏み入れることを許されているのは若かれ老いかれ女性のみ。
もし仮に、ベルリンの壁・・・ではなく、百合の壁に挟まれたいと強くつよく心の底から願う男性や、一度でいいから恋人が欲しいなんて思う男性が来てしまったとしたらそれは、ユリトピアに棲息している動物や植物にとっては一大事。けど、安心してほしい。
だって、『ユリトピア』に男性が辿り着いてしまったとしても、その際は島の有する目には見えない不思議な力によってあっという間に解決されるから。
――男性が、ユリトピアに足を踏み入れようとした瞬間、彼らの視界には眩い白い光が溢れ即座に『TS』が始まる。
元の体型が筋骨隆々なゴリマッチョ、骨と皮と筋肉しかないような細マッチョであれ、下っ腹がとある焼き物のタヌキのように張り裂けんばかりに飛び出していたとしても、ユリトピアに足を踏み入れようとしてしまえば男性は皆、白魚のごとく繊細でキメ細やかな肌となり体型は、くびれのある腹回り且つすらりと伸びたしなやかな肢体の女性となる。
そして、男性が女性に転性する際、胸元は希少価値の高い大きさになるか、バケツでつくる砂場の城のようになるかは、元男性の願望が具現化される。
また、終いには、男性から女性へと強制転性した者は、いやらしい男性特有の感情が消去されるためユリトピアにやって来る生粋の女性達は皆、元男性のことを歓迎する・・・というか、元男性であった者達は初めからあたかも女性であったかのように思い込むよう潜在意識が改竄されているため誰が元男性で誰が最初から女性なのか見分けることは不可能である。
「あのね、蘭ちゃん・・・」
「なに・・・有理香?」
今日もまた、どこからともなく百合の始まりを予感しかさせない麗しき乙女達の声が聞こえてきた・・・・・・。
最後まで読んでくださり有り難うございました。できる限りコンパクトにまとめたつもりです。また、読者様のなかには『はっ・・・?!』と思う方がいたかもしれません。それに関しては、申し訳ございません。
最後に、また機会がありましたらぜひお願いしたいです・・・・・・。