海軍航空本部技術部
どうもカトユーです。日が開いてしまいすみませんでした。
今回からは、個人的なイメージがたくさんになります。いや、細かい部署の人事なんて調べても出てきませんよ…
ということで恒例?の、この小説はフィクションです。現実の団体及び人物とは一切関係はありません。
三が日が終わり、今日から自分は航空本部へ向かう。霞が関にある海軍省へはすんなりと入ることが出来た。どうやら、山本さんが話をつけてあったらしい。
「一応、君は民間人の客人という扱いだ」
「わかりました」
ちなみに服装は、こちらにきたときとは変わらないので少々浮いていた。あと、すれ違ったあと振り向くのやめてください。恥ずかしいです。
山本さんに案内され、航空本部に着いた。航空本部とは海軍省外局で四年程前に発足したばかりの新しい部署だ。その名の通り、航空機及び航空兵器の開発・設計・実験等を行うところだ。山本さんはそこの技術部長だ。
建物に入り、航空本部長に挨拶しに行った。今の航空本部長は安東昌喬中将だ。彼は海軍大学校(甲種九期)を主席卒業したエリートだ。その後、霞ヶ浦航空隊司令となる。凄いのは将官でありながら、航空機の操縦技術を習得し陣頭指揮を行ったことだ。ちなみにその時の副長が隣にいる山本さんだ。
彼にも山本さんは話をしておいたようで、簡単な自己紹介のみだった。しかし、そのなかで当たり前のように未来から来たことを話すととても驚いていた。この事は聞いていなかったらしい。
部屋を出て、廊下を歩いていると山本さんに、
「あまり、未来から来たことを話さない方が身のためだよ」
と言われてしまった。
技術部の部屋に着くと、技術部の皆が揃っていた。皆、突然の集合を不思議に思い、ああでもないこうでもないと色々推測していた。山本さんの後ろについて、部屋に入ると刺すような目線がとんできた。皆が自分のことを観察していた。山本さんは、そんな彼らの様子を見つつ口を開いた。
「今日から皆とともに働く、豊島進君だ。彼は未来からやってきた人間で、この先起こることを全て知っている」
そう言うと、部屋のなかは一気に騒がしくなった。大半が真偽を疑っていて、自分の言葉を待っていた。
「自分は未来からやってきました。聞きたいことがあれば何でも聞いてください」
皆が躊躇いがちに視線で会話している。どうやら、お前が聞いてみろよ的な譲り合いをしているらしい。すると、一人の男が沈黙を破った。
「私は、白石勇という。階級は大佐だ。以後よろしく頼む。さっそくだが、これからの日本はどうなる?」
やはり、この頃の不安は将来の国ついてだろう。こと海軍についてはロンドン海軍軍縮条約もあり、先行きが不透明だ。
このあと、自分の知っていることを山本さんに話したように全て話した。途中、話が脇道に逸れたこともあり、話が終わったのは日が沈み空が闇に包まれた頃だった。
「今日は話だけで終わってしまったな。それでは解散!」
山本さんの一声で各員はそれぞれの持ち場へと散っていく。ただ、一人を除いて。
「いや~、今日は勉強になったな」
そう言ってきたのは、最初に質問してきた白石大佐だ。彼とは話の間、何回か雑談をすることがあった。話してみると、さっぱりとした性格で物事に対してきっぱり結論を述べるタイプだった。年は二十八歳と自分と近かったため、馬があった。
「いやいや、自分は皆さんより少し知識があるぐらいなだけですよ」
そう返すと、白石大佐はムッとした表情でこちらを見てきた。
「豊島さんはそう思ってるかもしれないが、豊島さんの持つ知識は今の帝国が最も必要としているものだ。今の帝国は目先のことしか考えていない。だから、先の事を少しでも知ってる豊島さんは貴重な存在なんだよ」
そう言って、肩をポンポンと軽く叩いてきた。
「そう言ってもらえると嬉しいね」
自分が本心を伝えると、白石大佐は笑顔になり右手を出してきた。
「改めて、白石勇だ。勇と呼んでくれ」
「自分は豊島進だ。自分のことも下の名前で呼んでくれ」
「よろしくな、進」
「ああ、よろしく」
そう言って、互いに握手をした。
山本さんは陰で、「ほう、白石大佐が認める人間が居たとはな」と言っていた。
そのあとは初日と言うこともあり、特に何かしたこともなく、山本さんの家へと帰った。
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特に、情報を貰えると嬉しいです!戦前の航空機に関する情報プリーズ…