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俺がゾデと会話していると、不意に女王が俺の名を呼んだ。
超ハーレム展開にうろたえつつも女王の方を見ると、
なんと彼女の周囲に俺とそう歳の変わらない、3名の女性が佇んでいるではないか。
もしかして、早速ヤッちゃうつもりなのか。
俺はゴクリとツバを飲み込んだ。
興奮よりも緊張が勝っている。
「どうしたシツ。
このスカルベル女王が呼んでいるのだぞ?
その名の通りに疾く来んか」
「でも……」
女王の煽りにも動じず躊躇していると、
ゾデに首根っこを掴まれ持ち上げられてしまい、俺の足両足が地面から浮かんだ。
体重が軽いのは女装を好む俺にとってステータスだけど、それが裏目に出ている。
ゾデが超人的な身体能力を持ってるのも有るんだろうけど。
「やめて!下ろして!」
「悪いが女王の命だ。
諦めてくれ」
「諦めるから下ろして!
服が伸びるから!」
何万したと思ってんだよ。
俺が半泣きで訴えると、ゾデは手を離してくれた。
ただ、本当に文字通り手を離しただけなので、俺はドシンと尻餅をついてしまう。
草の上とは言えちょっと痛い。
だがそれ以上に、コスプレが土で汚れる方が心を痛ませる。
「ううー……」
俺は前屈みで腰を後ろに突き出し、両手でお尻の土を払った。
幸い、地面に草が生い茂っていたお陰で土との接触は少なく済み、
殆ど汚れていなかったと言って良い状態だ。
実際の所は、脱いで直接確かめないといけないが。
「シツさん!」
「うおっ!?」
俺はグズグズしている内に、3人の女性達に周囲を取り囲まれていた。
諦めると言ったのに、待ち切れなかったのか。
「シツさん、誰からしますぅ?」
正面に居る赤髪ショートの女の子が、上半身を傾けて俺の顔を覗き込む。
「何をですか!?」
「決まってんじゃん。
セックスだよ」
後方右の声に振り向くと、青髪ポニテの女の子が腰に両手を当てている。
「決まってんすか!?」
後方左から、誰かが俺に抱き付いて来た。
「シツちゃんは私が先に目をつけたのよ?
膝枕だってしてあげたんだから!」
「メツェンさんまで!?」
「メツェン、抜け駆け!?」
メツェンさんとは別に後方左に居た、紫髪ツインテの女の子が叫ぶ。
俺は今、4人の女の子達に囲まれているのか……!
「抜け駆けじゃないわよ。
1番乗りって言って頂戴」
「じゃあ私が2番っ!」
メツェンさんに続き、正面に居る赤髪ショートも俺に抱き付いた。
「あたしを忘れんな!」
後方右の青髪ポニテも。
「あんたら、勝手過ぎ!」
紫髪ツインテは抱き付く隙間にありつけず、ただ叫ぶのみ。
3人の柔らかい肉体が俺の体で潰れ、揺さ振られる度に肌をくすぐる。
女の子達が薄着であるせいか、布越しでも十分な性的破壊力を俺に与えてくる。
香水とかじゃなくて、なんと言うかメスの匂いが凄い、
ヤバい勃った。
衣装が汚れちゃう。
「ホッホッホ、若くてよろしい。
この様子なら、この王国も安泰であるなゾデ」
「ええ」
女王はどこからか用意した椅子に腰掛け、片肘を突いて俺達を見学している。
その傍に居るゾデが、女王に相槌を打った。
「女王!こんな無理矢理ムグゥ!?」
誰かが俺の口内に指を入れて来たので、発言は中断された。
「シツちゃん、1発目は当然私よねぇ?ウフフ……」
後方左のメツェンさんが、俺の左耳元で甘ったるく囁いた。
どうやらこの指、メツェンさんのものであるらしい。
「ムガムガ!」
「あらそう?嬉しい。
ほら、シツちゃんが私を選んだわよ。
2軍はさっさと離れなさい!」
「ヤダぁ!」
「ふざけんな!」
「あたし、3軍!?」
3人による俺の取り合いはエスカレートし、ムスコがビクビクと跳ねる。
やめて下さい、イッてしまいます。
せめて服を脱がしてからにしてぇ……っ。
「ゾデよ。
森に行って、採って来て欲しい物が有る」
「女王、なんでしょう?」
ゾデがどこかに出かけるようだ。
大事なコスプレ衣装汚染の危機に瀕している俺は、これを聞き逃さなかった。
「行きます!」
「シツちゃん!?」
声高らかに叫ぶと、3人はパッと俺から離れてくれた。
良かった、本当に良かった。
ふたつの意味で。
「イキますって……シツちゃんまさか早漏?」
メツェンさん、そうだけどそうじゃないです。
「女王、俺もゾデについて行きます!」
「なんと?」
椅子の肘掛けに片肘を突いていた女王が、俺を見て体を起こす。
「またあの……ラスティアンが出たら危険ですから!」
「それはそうだが、お主には大切な役割が……まあ、後でも良いか。
ゾデ、シツも連れて行け」
女王の命令に、ゾデが跪いて答える。
鎧の部品同士が当たり、ギチギチと窮屈そうな金属音を鳴らした。
「仰せのままに」
「よしっ!」
俺は駆け出し、ゾデの元へ。
「シツちゃん、また後でねぇ」
俺はあえてメツェンさんに返事をしなかった。
消去法なら、あの4人の中では断然メツェンさんを選ぶけど、
この衣装が汚れるのは勘弁だし、それにこういうのってムードが大事でしょう。
肉食系女子らに対する、童貞の安易な憶測ですけども。
「それで女王、何を採取すれば?」
また片肘を突いている女王が、駆け付けた俺を見てニヤつく。
「イキリダケを採ってまいれ。
あれは効果抜群の精力剤であるからのう。
一晩で町娘全員をも相手に出来よう」
「精力剤!?」
前も後ろもエロでした。




