表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/56

ep56 2つの謝罪

『我々の勝ちですね。よくやってくれました、ルイ』

『……ぃ……ぁい』

 雑音が入った音声は、近衛兵の勝利とルイのウィスパーボイスを届けた。ルイの呟きは誰にも正確には届いていなかったが、同じ言葉を繰り返しているようだった。

『悪い……。負け、ちまった……』

 リリに拾われたらしいツバサは、そのコックピットから謝罪の言葉をつむいでいた。言葉につまり、本当に面目なさげな声音でゆっくりと。しかし、アリスはその言葉をしっかりと聞くことはできなかった。


――『ごめんなさい』と繰り返しておるようだな

「勝ったのは向こうなのに?」

――そうだ

 対話しているのは麒麟。ルイのウィスパーボイスが何を言っているのか気になったアリスは、麒麟に問いかけたのだった。何と言ったか分かるかと。

――なぜ、あんなにも謝罪しておるのかは分からんがな

「そっか……。あー、もう、どうしていいのか分かんねぇ!!」

 この戦いが始まってから、異変が多すぎる。

 ファーストが戦いの前に言っていた“繋がり”という言葉。それを示すかのように、敵の中には知り合い(リョイ)がいて。ナインとエイドもファーストとかいうリーダー格を知ってるようだし、ツバサもさっき戦ったルイという敵のことを知っていた。それに、リリの執拗なまでの攻撃。こうも色々起こってちゃ何が何なのか分からなくなってくる。

『……ス! ……ァリス!』

「! な、なに!?」

 いつのまにか、エイドから通信が入っていた。

『こっちのセリフだ。次の戦い、どっちが出るか。決めないと』

 エイドの声色には、緊張と怒気が含まれていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ