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ep48 1つの影

 しゃらり…… しゃらり……

 本体と繋がっていないはずの鎖が、意思を持つかのように動いている。そして、本体である玄武はヒート機に体当たりを繰り返している。ぶつかられ、蹴られるごとにヒート機は見るも無惨に変わっていく。

 玄武の装甲は厚く固い。普通の機体でさえぶつかり合うなんて、負けるに決まっている。だが、ヒート機は普通の機体より装甲が薄く、弱いのだ。勝てる可能性なんて、万に1つもない。

 皆は、その虐殺とも言えるほどの一方的なぶつかり合いをなすすべなく見守っていた。


 ――妾が…… 負けるなど…… 有り得ぬのじゃ…… 妾が……

 ふと意識を取り戻したリリの耳元では、とある声が響いていた。記憶の中にはないけれど、ひどく懐かしさを感じる声だった。

「だれ…… なんですの?」

 ――負けるなど…… 有り得ぬのじゃ…… 妾が…… 負けるなど……

 返ってくるのは、先ほどと変わりのない声。

 不審に思いながらも、戦闘中であったことを思い出したリリは操縦幹を慌ててつかみ直そうとする。――が、ない。

「!?」

 いつもの距離にあるはずの操縦幹はなく、そればかりかただただ暗闇が広がっていた。認識できるのは自分の体と、その体を預けている椅子だけ。

「ここはどこなんですの!? いったい……!」

 ――妾の中じゃ。初めて会うのぉ、リリ

 闇の中に、認識できるものが増えた。リリの目の前に、髪の長い女性の姿。その両腕には、蛇が巻き付いている。

 ――妾が玄武じゃ


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