ep43 3本の剣
『おっしゃ、来いよ! ケケッ、本気で戦えるの久々だなぁ!』
嬉々として、赤色の機体が歩みを進める。
『あの機体に、あの声か。……前に戦ったやつか。オレが戦うが、いいか?』
『私に戦わせていただけませんか?』
ツバサが名乗りをあげた。が、リリがそれに意を反した。
『あの方を見ていると…… 無性にイラつくのですが。なぜでしょうか?』
「なぜって聞かれても」
思わず苦笑がもれる。リリはどう考えても天然以外の何者でもないようだ。
『赤いからじゃね? いって来い、リリ。オレは他のやつと戦うから』
『ありがとうございます。では』
リリの玄武が歩みを進めた。黒い装甲が光を反射し、見とれそうなほど美しく輝いている。
玄武は武器を取り出す。2本の細身の剣だ。
『あんたも剣派? 奇遇だね、オレも剣使いなんだ。ケケッ、どっかのカッター使いに負けたけど、結構強いよ?』
対するヒートは1本の剣を構えた。柄と刃のつなぎ目にダイヤをあしらった装飾がある。玄武の武器とは対照的な、重量感のある剣だ。
『オレの剣で折れちゃわない? ま、勝負だし、かんけーないけど。ケケケッ!』
「……早く戦いませんこと?」
リリはイラつきをみせた。ヒートの独特な世界に慣れないようだ。
『あんたも戦いが大好きなのかい? クケケケ。今日は楽しめそうだね。お先にどうぞ。オレ、強いし、“れでぃーふぁーすと”って言う言葉もあるらしいし』
「オレ、強いし」の辺りで『バカ……』と敵側の声が聞こえたが、ヒートはそれをスルーした。
「お言葉に甘えてもよろしいですね? それでは始めましょうか」
玄武がその巨体に合わない、細身の剣を構えると、ヒートも剣を構えた。