ep42 1つめの勝敗
近距離の白虎と、遠距離のリョイ。お互いの射程圏内に入れるため、移動しあう2機。向かい合っているので、変わった鬼ごっこのような不思議な光景だ。お互いの速度に大差はないものの、わずかながら白虎のほうが速いようだ。じわりじわりと、距離が近づいていく。
「ブースト、全開!」
ナインは足元のペダルを強く踏んだ。
ブースト機能は排熱しやすくなっている白虎でさえ、長時間はあつかえない代物であった。そのため、足元のペダルで小出しに使うというシステムがとられている。スイッチでそのペダル本来の役割をブースト機能へと変え、タブで出力をいじる。後付けの機能であるかのように、使い勝手は悪い。が、その能力は十分使えるものだった。
「ああぁぁぁあああっ!」
白虎が力強く大地を蹴る。ブーストのおかげか、白虎とリョイの距離はグンと近づく。
『速いっ!? どうすればっ!?』
策がない、ゆえに攻撃してみる。という考えに至ったのか、リョイは弓矢を放ってきた。狙い定めるには冷静さを欠いたのか、前回のような正確無比な連射ではなく、当てずっぽうな連射であった。
(右…… 左前…… 右側にバックステップ……)
ナインは全てを見切り、リョイに近づいていく。
「前の正確無比な連射はどうしたの?」
『あっ!』
言葉と共に、弓矢を右の鉤爪で切り裂き、左の鉤爪を振り上げるようにして、リョイの機体をえぐるようにエンジンに傷をつけた。パワーダウンの音を響かせ、リョイの機体は沈黙した。
『やった……! ナインの勝ちだ!』『勝ちましたわ!』『さすがだな、ナイン』
仲間の声が聞こえてくる。その中に、敵の声が聞こえる。
『勝負ありのようですね。リョイ機の回収を。次は…… ヒート、出れますか?』
アリス「なーなー。ツバサー。作者のも1個のへっぽこ小説『COLOR』じゃ、次回予告みたいなのやってみるみたいだぜー」
ツバサ「なに? そういうの、やりたいの?」
アリス「おもしろそうかなーって思っ」
作者「ああああああ!?」
ア&ツ「!? 何があった、作者よ?」
作者「リョイの武器、間違えてた……。あの子、クローバーだから三股の棍棒なのに……」
アリス「それ、けっこう重大なミスじゃない?」
ツバサ「バッカでー」
作者「あああああ。最終決戦的な戦いなのにやってしまったぁぁあ……」
アリス「……このあとの話で、つじつま合わせるのガンバッ!」
作者「あああああ。こんな作者ですが次回以降も、よろし、く、お願……あああああ」
ア&ツ(ダメだ、こりゃ)
アリス「次回、ヒートと戦うのは……? お楽しみにー!」
作者「あああああ……」
ツバサ「るせぇ!」
作者「ハヒィッ!?」