ep39 1つめの“繋がり”
『そうですね……。ちょうど5人ずつですので、タイマンで戦っていきましょう。それぞれ、お互いに繋がりのある方がいるようですから』
スピーカーからそんな言葉が流れた。
「繋がり……?」
アリスのつぶやきは誰にもすくわれず、虚空に消え去った。
『こちらの先鋒はリョイでいきましょう』
「!?」
緑色の機体が前へと進み出る。ハートを4つ連ねたようなチャクラムを装備している。
そして、敵の放った名詞にナインが反応した。“リョイ”という知り合いにいる、珍しい名前。反応しないほうが難しいだろう。
『ごめんね、アリス。黙ってて。……私は軍人の家系に生まれたから、軍人になったの。……ほんとは戦いたくないけど、戦わなくちゃいけないの。分かってくれる……かな?』
『分かるよ、リョイちゃん。やりたくないけど、やらなくちゃいけないこともある。……私もね、そんな経験があるから』
抵抗軍の白い機体が歩み出る。
『昔ね、ある研究施設にいたんだ。詳しくは…… ファーストでいいのかな? 私たちに連絡したアイツに聞いて。同じ……施設にいたから』
『ナイン。言わないでくれ』
エイドの制止が入った。本当に触れられたくないことなのか、心なしか声が震えていた。
『っと、ごめん。相手、私でもいい? 戦いましょ?』
『いいよ。……私の繋がりはあなただから』
チャクラムがギラリと光った。