ep33 2度目の出逢い
あまりの声の大きさに、スピーカーから音割れの嫌なノイズが響いた。
「リリ……。声、大きすぎるよ……」
思わず、言葉がもれた。
『我は水大蛇なり。エイドに非ず』
『あのドラゴンが、親衛隊を殺すことを望んでいると思うのですか!?』
青龍の抵抗は、その言葉を境におさまった。
『そうは思いませんわよね? ……エイド』
『……オレは……うっ……』
拍子抜けしそうな声が響いた。いつものエイドの声だ。
『これは…… オレがしたのか?』
「なぁ、麒麟。お前は何者なんだ?」
――……そうだな。そろそろ教えてもよかろう
しばらく間をおいて麒麟の声が続いた。
――他のパイロット達が寝付いたら、私のとこに来るがいい
「ルファ!?」
麒麟に言われたとおりに、倉庫にくるといなくなったはずのルファがいた。
「なんで……」
「越えちゃいけない一線つーのを越えちゃった、とでも言えばいいのかな?」
立ち上がったルファに、アリスが触れようとした。……が、触れられない。
「俺はここにいるけど、ここにいない」
――そうだ、アリス。時が来るまで、ルルゥリアはここにいてはいけないのだ。
ルファは「言うなよー」と言いたげな笑いを浮かべた。
「さぁ時間もないし、どっちの話しから聞く?」
アリスはちょっと迷うと、答えを出した。
「ルファの方から聞かせて」
「分かった。……オレは」