ep26 4柱の神と祠
「いっつも、こんな大変なことしてたんだ」
もう疲れて動けないといった様子で、アリスはそう口にした。
「確かに大変だけど、やっとかないと戦えないしね。ほい、コーヒー」
「ありがとう」
もらった缶コーヒーを開けずにもったまま、整備中に気になったことを口にした。
「ねえ。なんで、機体ごとにコックピットの形状が違うの?」
そうなのだ。近いものもあったが、それぞれがまったくと言っていいほどに中身が違っていた。操縦桿だけでなく、モニターや各スイッチの位置など同じ人物が1人で設計したとは思えないほどの大きく違っている。
その問いにエイドは、あきれるほど簡単な答えを返してきた。
「だって、オレが作ったわけじゃないし」
彼は少し苦笑いをしつつ、さらりと言ってのけた。しかし、このレジスタンスにはメカニックはエイドぐらいしかいないはずなのだが。
思考が上手くついてこれていないアリスを見てなのか、コーヒーを1口飲むと説明を始めた。
「どっから言えばいいか……。この国の中央と四方に祠があるのは知ってるよな?」
確かこの国の神話にでてくるとかいう、4柱の神の住まう祠というのがあった気はする。中央の祠の話は聞いたことがないが。
「四方の祠は知ってる。けど、中央にも祠があるって聞いたことないよ。それとどう関係あるの?」
「んー、そうか。ま、あるんだよ。オレも詳しく知らないからあれだけどさ。で、その祠にこいつらのパーツが在ったんだよ」
エイドはそういうと親指で、後ろにあるメテオたちを指差した。
「オレはそれを組み立てただけ。誰がつくったなんて知らないし、関係ない」
エイドはニヤリと笑みを浮かべた。