ep13 1組の“キョウダイ”
メッシュ(3色ぐらい)が入ったショートヘア。髪型以外ルファに瓜二つの顔。
「え…… ルファ? 髪…… 切った? てか、イメチェン……?」
その人はちょっと驚いたような顔をすると、にっこりと笑いかけた。
「ああ、貴方たちがルファがお世話になっているっていうアリスさんたちね? 初めまして。キティ=シルバーローズです」
明るく女性的な声だ。キティはにっこりと笑ったまま、軽く礼をしてきた。あわてて、返事をする。
それにしても…… 王族らしい動きや言動とは裏腹に、キャミソールで隠れて見えるか見えないかぐらいのショートパンツなど格好はぜんぜん王族らしくない。
「あの……。キティ様」
「ああ、いいの。今日はプライベートだし、敬語とかやめてキティって呼んで。なんか、そういうの慣れないから。ね?」
にっこりと笑う。そして、「やめなかったら、国家権力を使ってまでやめさせるわよ? フフフ……」とつぶやいている。そのつぶやきに呼び寄せられたかのように扉が開く。
「買出しから帰ったぞ。……って姉貴!? 何でここに?」
「あら、お帰り。ルファ? 苦労したわよ、探すの」
うふっと笑ったキティと、何がなんだかわからず混乱しているルファ。瓜二つな為、髪型で見分けるしかない。髪型をそろえると、見分けることができそうにない。
「えっと? 姉弟?」
「そ。双子なのよ、私とルファは。さて、悪いけど……。2人にしてくれる? ちょっと、話したいことがあるから」
「じゃあ、オレの部屋で」
そう言うと、ルファとキティは部屋に向かって歩き出した。