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8.予言士:ライラアード

8.予言士:ライラアード


その昔には予言士という生業の者がおりました。

近しいところでは明日の天気を予言し、遠いところでは個人の未来を予言していたといいます。


今回紹介するライラアードは、生まれ育った農村で予言士として生きていました。


彼の予言士としての能力は水際立っていて、近隣の住人どころか、時の王族ですら未来を知るために訪れました。


鋼紀800年代のことです。


有能なライラアードを招聘しようとした国は多々ありましたが、希代の予言士は生まれた農村にしがみつようにして離れませんでした。


どうして、こんな寂れた村に固執するのか?

焦れた騎士が詰問しました。


ライラアードはこう答えたと伝えられます。

『世界を救うためです』と。

何十回も、何百回も、何千回も、世界を繰り返した。

世界を救おうと、過去に死に戻って繰り返した。


国を動かそうともした。

遂に動かしもした。


それでも、悪魔どもを抑えることはできなかった。

放たれた悪魔はまたたくまに世界に広がり、生きとし生きるもの、全てを殺しつくした。


悪魔。


俺の生まれ育った村の住人は古代の邪神に呪いを受けていた。

俺が40歳になったとき。

一斉に邪神の呪いが発芽して悪魔となるのだ。


俺だけを…除いて。


初めての死に戻りの時、俺は妻が変化した悪魔に殺された。

幼児として蘇った俺は、村人に訴えた。

が、逆に俺は悪魔憑きの赤ん坊として殺された。


世界を救おうとしたんだ。

村人を。

愛する人たちを。

何とかして邪神の呪いを解こうとしたんだ。


だが。

無理だった。


神よ!

何で、俺だけが死に戻らなければならない!


俺だけが、こんな…。

ライラアードが40歳のとき、彼は村の住人28人を惨殺しました。


後の調べで、ライラアードは神を恨んでいたということが判明しています。

予言士として行き詰っていた彼は、村の住人を邪神に捧げたのかもしれません。

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