41.忘却の魔術
41.忘却の魔術
殺人とは何でしょう?
人が死ぬとは、どういう意味を言うのでしょう?
今回は殺人鬼ではなく、ある呪術のことを紹介したく思います。
ある呪術師が人生の大半をつぎ込んで、とある呪術を完成させます。
それこそが『忘却の呪術』でした。
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俺をパーティーから追放した連中への復讐。
そのためだけに編み出したのが『忘却の呪術』だ。
呪をかけられた者には何も起こらない。
変化するのは周囲。
呪をかけられた者のことを、誰も彼もが忘れてしまうのだ。
しかも呪は、死ぬまで作用する。
何度も何度も、だ。
忘却の効果が発揮されるスパンはランダムだが、短い時は3日、長い時は1年ほどになるはずだ。
今や、俺を追放した連中は救国の英雄などと謳われている。
目にもの見せてくれる!
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忘却の呪術、です。
しかしながら、この呪術が成功したのかは謎のままです。
なにせ忘却してしまうのです。
完成させた呪術師も誰かしらを呪ったはずなのですが、結局、呪ったことさえ忘れてしまったのです。
ただ書に記録は残ります。
呪術師は『恐ろしいものをつくってしまった』と、半生をかけて練り上げた呪術を破棄したと言います。
もしやすると、忘却の効果で恨みつらみを無くしてしまっていたのでしょう。
私は思うのです。
忘却の呪術が完成したとして。
誰かに掛けられていたとして。
効果が発揮したとして。
その者は『死んだ』ことにならないだろうか、と。
生きながら殺された誰かは…。
その後、どうしたのでしょうか?




