初めての『死』(冷たいこたつ)
今回はビゼル視点です。
下手です。読まなくても結構です。
俺はビゼル。転生族だ。何回転生したかは50を超えてからは数えなくなった。
今まで色々な種族になったが、一番馴染む種族は『悪魔族』だった。
俺は戦闘狂ではないが、闘いは結構好きだ。自分の強さが改めて実感できるからだ。
ちなみに今生の俺の種族はグールだ。
…………いや、訂正しよう。
グール『だった』。
転生族は、死んだ時、体感では一瞬で次の種族に変わる。あくまで体感はな。
実際は、はやくて5年、遅くて100年以上だ。
だが、今、俺は死ぬ目前だ。
俺の目の前にいるガキ、と言っても、身長は俺と同じくらいだが。
年齢的に俺からみたらガキなんだ。
まあいい。
そのガキが俺に『死』を贈ろうとしている。
手には光輝く剣があった。恐らく、その剣は、転生族すらも殺せるだろう。
ガキはその剣を俺の頭に向かって振り下ろす。
そして俺は真っ二つになって『死』を迎えた。
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「この杖には~~~~~~。」
「~~~~~~!」
「!!!」
何か声が聞こえる。聞き取りづらい。
「ビゼルって~~~~~~~~だぞ!!!!」
その声が俺の耳に届いた瞬間、俺は神官みたいな男を頭を握り潰していた。
俺は蘇った。
俺の持っている『即効情報理解』というスキルのおかげでこの状況がすぐに理解ができた。
このスキルはその名の通り、今、自分が置かれている状況がすぐに分かるという便利なスキルだ。
「ありがとなー。神父さんよ。俺を蘇生してくれて。でも、もういい、さようなら。うめー。最高だな、
人間の頭ってコリコリしていて美味いなぁ~。」
愉快な声で言った。
グール族でなかったならば俺はこの台詞は多分言わないだろう。
それにしても美味い。まるで軟骨の唐揚げみたいな……、おっと、こことは違う世界、地球の料理を
思い出しちまった。
俺は大学生の頃にこの世界に来たなぁ。転生族という種族になって。
まあ、過去の余韻にひたるのは後だ。
俺はひとまずフェルトに『いつか喰ってやるー!』みたいなことを言ってこの場を立ち去った。
あいつにはまだ勝てない。だからダンジョンで鍛えるとするか。
絶対にフェルトを殺す!ついでに食べる!!!!
しかし、このとき、ビゼルは知る由もなかった。少し時が経ったら、フェルト達が、偶然この『遺跡』に
来ることになることに。
み、短い!
次はマジックマッシュルームだ。