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異世界でのFPS攻略  作者: ムク
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第59話 オーガ進行?

 今日は午後から、シスターをファーノに連れて行って、街の様子を見学して貰う事になっている。

 それまでに、学校の概要と教える教科、給食をどうするかを考えて、シスター達に説明しなければならない。

 お昼の給食は絶対に出すが、俺達が居なくなった後も、維持出来る様に考えなければ、学校が潰れてしまう。

 ファーノの住人に話を聞くと、農作業は10時から15時までは、休憩になる事が多い様なので、学校の時間帯はそれに合わせた方がいいのか?

 授業は45分で、こちらの世界の昼食が13時から、それに合わすと、

1時間目 10時~10時45分 座学

昼寝  10時45分~12時15分

2時間目 12時15分~13時 体育

給食  13時~14時15分

3時間目 14時15分~15時 座学

と、こんな感じになる。

「浩史、どう思う?」

「昼寝はいるの?」

「日の出から働いているから、絶対必要だと思う。大人なら要らないかもしれないが、子供だったら必要だろ。体を成長させないと」

「いいんじゃない。それで教科は決まった?」

「国語、算数、体育、冒険者の心得、魔法講座」

「3教科は解るけど、冒険者の心得と魔法講座って何?」

「冒険者の心得は、冒険者に必要な知識や魔物の事を教える。魔法講座は、班分けして魔法を教えるグループと、魔法の対処方を教えるグループに分ける。後、体育には剣術と格闘を入れる」

「問題ないと思うけど、不満が出たら、その都度修正して行けば」

「教師はアレクシスさんに断られたから、冒険者を引退した人を探す。オレーナ卿に頼んだ」

「誰?」

「ファンドラ国の異世界研究者で来訪者の子孫」

「あー、あの人!会った事ないけど」

 年齢も5、6歳クラス、7、8歳クラス、9、10歳クラス、11、12歳クラスの4クラスを考えている。

シスター達への説明資料として、学校の時間割と教える教科、内容を入力して翻訳しプリントアウトした。


 孤児院へ向かって歩いていると、すれ違う冒険者らしき奴等が、睨んでいたので視線を向けると逸らされた。

 オーガ集落の件が広まったかな?

「力があるくせに、金の事しか考えてない」「自分だけ良ければ他人はどうでもいい」「俺達を蔑んでいる」など会話が聞こえたので間違いない様だ。

 確かに、この街が全滅しても少し不憫に思うだけで、すぐに忘れてしまう。どうでもいいと思っているのは事実だから救う気にもならないし、自分達で何とかしようとしない冒険者達も呆れている。

 大体、街に防壁があるから、多少の犠牲を覚悟すれば、倒せる相手だと思うが。オーガ達のレベルを確認してないので、何とも言えない。

 外野は無視して、孤児院へ進むと、途中で声を掛けられた。

「マサキ、久しぶりだな」

 前に、ナミル王都まで護衛依頼で一緒だった、人狼と人虎の冒険者だ。名前は思い出せないが。

「久しぶり、元気だった?」

「俺もやっとC級に上がったぞ」

 名前を言いやがれ。

「そう、おめでとう」

「噂は聞いたぞ。マサキは本当にギルドを辞めるのか?」

「辞めたよ」

「そうか、マサキならオーガでも無傷で倒せそうなのにな」

 オーガ程度なら、無傷で全滅さる事は出来るけど、この街の住人に思い入れはない。

「そうかもな、やる気は無いけど」

 最後まで、2人の名前を思い出せなかったが、相手に気付かれずに話し終わった。


 孤児院に到着して、早速シスター達に学校の説明を開始する。

 孤児院の建物は、シスターや子供の要望を聞いて、建てる予定になっているし、同じ敷地内に学校も建てる。運動場も確保してあるので、かなりの広さになるが、ファーノ街には未だに使う予定のない土地が余っている。

 学校の授業にも好意的だが、アルクドロ教を説く時間も欲しいと言われた。俺としては、宗教を押し付ける気は無いが、シスター達はやる気でいる。

 宗教の授業は保留にして、シスター達への学校の説明は終了した。子供達への説明は、俺がシスター2人をファーノに連れて行っている間に、他のシスターから説明して、説得して貰う事になっている。

 シスター2人を連れて鳳龍店からファーノに連れて来た。一応、シスターに口止めはしたが、かなりの人数に知られているので、転送装置の秘密はどうでもよくなって来た。

 シスターにフレイヤさんを紹介して、正直に、この街で死人虫の感染被害にあった事を話した。

防止措置として、死人虫の感染が検知出来るマジックアイテムの説明をし、街に入る人を全て検査する事と、ファンドラ国でマジックアイテムの複製が出来たら、周辺の村や街に配布する予定だと説明した。

 後は街の見学として、孤児院と学校の建設予定地と、広大な畑と温室を見て貰い、この街に60人弱の住人しか居ない事を説明した。

 この街なら、住人が仕事に溢れる事はないし、学校で読み書きと計算も習える。ちょっとした護身術も習得可能だ。この世界では破格の待遇では?

 シスターを送って行き、明後日、返事を貰う事になったが、感触としてはいい返事が貰えそうだ。


 夜中に日課となった、闇の森でFMTVカーゴトラックに材木を積み、ホームに戻してから元アレクシス家で呼び出し、庭に材木を下ろす作業を浩史と行っていたら、警戒メッセージを受信した。

 一旦、作業を中断して、ホームに戻りメイン端末を確認すると、オーガの集落がある森から、50体以上の熱反応が纏まって移動するのが確認出来た。

 実際の数は、木が邪魔で判断出来ないが、100体以上だと思われる。平原に出たら正確に把握出来るので、それまで待つしかない。

 森の監視は、騎士と冒険者ギルドが協力して、低い丘に簡単な柵を作って、見張りを立てている。発見したら、真上に火の魔法を撃って知らせる事になっているが、これをすると当然魔物も気付く。夜なので発見が遅れると逃げる暇がなくなる?

「兄貴、どうする?」

「もう少し後が良かったけど、始まった物は仕方ない」

 孤児の引っ越しが終わってからなら良かったんだけどな。

「遅らせるなら出来るんじゃない」

「どうやって?」

「エキドナかフレイヤさんに、コトカ村で魔力を放出して貰えば、魔物は逃げると思うけど?」

「進行が逸れて、ニームの街へ向かったら?」

「位置的に大丈夫だと思うけど、逸れたらその時対処すれば?」

 対処か、対処する事は出来る。全滅させれば終わるから単純だ。

「やってみるか!エキドナは転送出来ないから、フレイヤさんに頼むか」


 フレイヤさんは部屋に居るので、インターホンを鳴らしてしばらく待つ。

「マサキか、何だ?」

「コトカ村に行って、魔力を放出して貰えませんか?」

「詳しく聞こうか、部屋に入れ」

 部屋に入ると、ガウンを着たフレイヤさんが出迎えてくれたので、オーガが集落を作った事と、今からグロスターかニームに進行して来る事を話した。

「オーガの事は分かったが、何故村に行き魔力を放出するのだ?」

「孤児の引っ越しが終わるまで時間を稼ぎたい」

「時間を稼ぐ?何故そんな事をする?マサキとヒロシで全滅させればいいだろ。オーガキングが居ても、お前達の強さなら1時間もあれば倒せるぞ」

「街がどうなろうと、私の知った事ではありませんが、孤児はファーノに連れて行くまで責任を持つつもりです」

「そうか…、街を見捨てるのか?」

「見捨てませんよ。子供達の家も増築してますし、知り合いもまだ居ます。街に攻め込まれたら全滅させますが、都合のいい時だけ私を頼られても…、最初はグロスターの人達で頑張って貰います」

「今一釈然としないが、まあいいだろう。それで直ぐ行くのか?」

「コトカ村に転送装置が設置してありますので、時間は掛かりません」

「それなら着替えて来るので、少し待っていてくれ」

「では転送室の前で待っています」

 フレイヤさんの部屋を出て、浩史にはメイン端末で衛星の画像を見て貰い、フレイヤさんが魔力を放出した後の、魔物の動きを見ていて貰う。


 フレイヤさんと合流して、そのままコトカ村に転送した。

「浩史、魔物は何処まで来てる?」

「もう少しで森から出るかな、森から出して様子見る?」

「さっさと片付ける、フレイヤさんに魔力を放出して貰うから、魔物の動きを見てて。じゃあ、フレイヤさんお願いします」

「では、いくぞ!」

 魔力を放出させているのか?何度見ても俺には全く分からない。

「浩史!どう?」

「面白いよ、魔物が蜘蛛の子を散らす様に逃げてる」

「何日か持ちそう?」

「それは分からないけど、再集結して攻めて来るまでは、時間が掛かると思うけど」

「今日の所は成功だな。フレイヤさんありがとうございました」

「成功した様だな」

「はい。では帰りますか?」

「もういいのか?あの程度では数日も持たないぞ?」

「十分です」

 フレイヤさんは納得出来ない様だが、俺には十分だったので、今日はもう戻る事にした。

 監視はそのまま衛星で行い、設定も50体以上の移動のみ、警戒メッセージが出る事を確認して寝る事にした。


 子供達を集めて、昨日のオーガ進行について話して、暫くの間、コトカ村には立ち入り禁止にしたいと説明した。

「マサキさん!コトカ村は無くなるのですか!?」

 イリアが目を潤ませて聞いて来たが、俺は村の事については、全く考えてなかった。

誰も住んでない村だぞ!泣く様な事なのか?あっアネットも目を潤ませている。これは少し村の事も考えないと。

「森からグロスターまでだと、コトカ村は多少外れているし、コトカ村の柵も魔物が嫌っているチャブイの木で作り直したから、大丈夫じゃないかな?」

「チャブイの柵では、オーガには効き目がありません!」

「イリア、少し落ち着いて、監視所が魔物を発見したら、合図として魔法を打ち上げるから、魔物は監視所の方に向かう事になると思うよ」

「それじゃあ、コトカ村は無くならないのですか?」

「絶対とは言えないけど、無事だと思う」

「良かったー!」

「それでオーガのレベルは確認してないけど、皆よりも強そうだから、片付くまでコトカ村には近付かないで!」

 コトカ村出身の子供達も、納得してくれた様なので、この件は一旦終了にした。


 昼食後に孤児院へ、ファーノ移住の件を確認しに行くと、冒険者になりたいと言っていた孤児も、ファーノに行く事を了承したので、今居る孤児は全員、明日引っ越しとなる。

 家具や寝具、衣類は綺麗な物だけ、ファーノの元住人の物を纏めて保管してあるので、マツオカチームにも手伝って貰い、仮屋敷の方に運び入れて、寝る場所を確保した。

 学校の方の準備も、長さ60cm程度の竹刀とヘルメット、ホワイトボードやノート、筆記用具を揃えて、仮学校に運び込んだ。

 残りは先生をどうするか、引退した冒険者勧誘の進み具合を確認する為、ファンドラ国のオレーナ卿を訪ねると、7組の老夫婦と、片手や片足を無くした11人の冒険者が名乗りを上げているので、全員の面接をする事になった。

 面接した結果、7組の老夫婦は4組採用した。3組は子供や孫が居たので、帰省したいと言い出したら面倒なので不採用にした。

 残りの11人の冒険者は、4人は女性だったので4人とも採用して、男性は不採用とした。

 採用者には、明日迎えに来るので、用意してオレーナ卿の屋敷に集合して貰う。住んでいる家の事などは、オレーナ卿に任せる事になった。気軽に戻っては来れないので、売却する事になると思うが。

 こうなると商店もほしいな。近い内に何か考えないと。

FMTVカーゴトラック:2.5t・5tタイプの2種類で、荷台には多連装ロケット砲や指令室など色々なバリエーションのユニットが存在して換装出来る。但し、換装するには換装設備も必要になる。

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