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異世界でのFPS攻略  作者: ムク
29/94

第28話 ファンドラ王都と東の小国群

 約束の10時に前に鳳龍店に行って待つ。始めは昼食後の14時から昨日の続きを予定していたがジャック卿の強い要望で10時からとなった。昼食も一緒に済ます事になるのでうどんか蕎麦を出す事に決めている。

 時間通りに2人がやって来たのでブレスレットを渡してホームに向かう。

「昨日も経験したが一瞬で移動出来るとは驚くばかりだ。それで今日は海中を進む船に乗せて貰いたい」

 多目的ルームに行く前にジャック卿が面倒な事を言いだした。

「試乗は切りが無くなりますので海中を進む潜水艦で最後です。よろしいですか?」

「待ってくれ!車にも乗ってみたい!!」と俺が言い終わると直ぐに反論する。

「車はヴィシュネヴァー国王陛下にお会いする時に乗って行きますので、その時に乗って下さい」

「しょうがない、それでいい」


 3人で港に移動して潜水艦Sを呼び出してハッチを開けて乗り込み、艦内の居住区、推進装置室、コントロールルームをそれぞれ説明して魚雷発射管室は見せないで済ませる。

 コントロールルームに案内して潜望鏡で様子を見て貰う。潜望鏡と言っても広角カメラの画像をモニターに映してモニターを動かすとカメラも連動して動く仕組みになっていて、モニター横のハンドルでズームも可能。

 発進してからすっと潜望モニターで遊んでいるジャック卿と横から羨ましそうに見ているアレクシスさんを見て笑いそうになる。ジャック卿は250歳を超えたエルフ、アレクシスさんに年齢は聞いていないが30歳は過ぎている多分30代半ばから後半だと思う人達がモニターで遊んでいる。歳を考えると自然に笑える。

「ジャック卿、アレクシスさんにも替わって下さい」

「おお、すまん。アレクシスどうぞ」

「ありがとうございます」と満足そうな顔と変化のない前面の大型モニターを見ている不満そうなジャック卿。

 しばらくは潜望鏡深度で進んで潜望モニターをしまって潜ると2人とも俺の前のモニターで艦の周囲の立体映像を見ている。

 レーダーに赤点を捉えたので港に戻る。


 13時になったので多目的ルームで食事にして、うどんか蕎麦を選んで貰うと悩んでいるので、うどんが小麦だと教えると2人ともうどんを頼んだ。俺は蕎麦にして食べ始めるとジャック卿が蕎麦を見ている。

「蕎麦も食べてみますか?」

「ソバも気になるがマサキの使っている棒は何だ?器用に使っているな」

「箸ですか、日本では食事に箸を使いますので誰でも使えます。使ってみますか?」

「難しそうなのでいい」とジャック卿とアレクシスさんはフォークで食べている。

「で蕎麦はどうしますか?」

「食べる」「私もお願いします」と2人に蕎麦を出して上げる。

 2人ともうどんと蕎麦を完食して満足そうにしている。

「いやー旨かった!」

「はい、両方とも美味しかったです」

「異世界の食事は旨いな」

「日本に帰ればもっと美味しい物があるのですが、いつかお2人にも食べて頂きたいです」


 食事も終わって昨日の続きに戻る。

「昨日の続きと言っても、お忍びでわしの屋敷に来た時に本当の事を話して、謁見では大公の話をする事になったのでは?」

「その通りですがファンドラ国に転送装置を置ける場所を確保したいのです」

「転送装置は他にもあるのか?」

「ありますし、作れます。高いですが」

「では、わしに同行してファンドラ国の王都に来てわしの屋敷に置いてくれ」

「ジャック卿のお屋敷ですか?突然、私がお屋敷をうろついていても使用人は黙っていてくれますか?」

「いや、直ぐに噂は立つだろう」

「では無理です。出来れば小さな家を借りたいのですが、商業ギルドに紹介して頂けますか?」

「紹介はいいのだが、わしが用意してもいいぞ」

「そこまで甘える訳にもいきません。紹介をお願いします」

「では、わしが帰る時に同行してそのまま商業ギルドに行けば良いか?」

「帰りはヘリでお送りします」

「ヘリか・・・、馬車は護衛と一緒にわし抜きで帰すか」

 後は場所の確認か、モニターにこの大陸の地図を映し出すと地図がある程度完成している?衛星を数えると26基になっていた?しかもナミル王国の全域に配置してあったのに各国の大きな都市に配置されていた。後で浩史に確認が必要だ。

「これは?」と尋ねるアレクシスさんと無言でモニターを凝視しているジャック卿。

「これは「この大陸の地図だな」」と俺も衛星の事を考えるのは止めて答え様としたら遮ってジャック卿が話し出す。

「そうです」

「これは正確なのか?」

「これ以上ないほど正確です」

「わしが見た事がある地図とは多少違いがあるが、ここがファンドラ国の王都だ」

 端末から地図にファンドラ王都と名称を書き込み、他に知っている都市と国境を聞いてみる。

 ジャック卿とアレクシスさんに色々な国の都市の場所を聞けたが、国境は正確には決まってないと言われた。

 国境はそれぞれの国で違いがある場合と、ファンドラ国とマガスカ連合国の様に目印として明確な川が国境となる場合もあると教えてくれたので地図の下側にコメントを入れておく。

 ファンドラ王都はグロスターから直線で約1000kmなので、一度解散して夜中の1時にジャック卿と合流してファンドラ国にヘリで向かう事になった。


 時間通りにジャック卿と一緒に攻撃ヘリのヴァイパーで出発して、方角・距離・速度を設定し自動操縦に切り替えて少しシートを倒す。これで設定した方角と速度が違ったり、設定した距離を超えたり、敵が1kmに近づくとアラームが鳴り教えてくれるので寛げる。

「これで日の出前にファンドラ王都に到着出来るのか?」

「ええ、5時までには到着できますが、王都から少し離れた所に着陸しますので多少歩きます」

「それぐらいは構わんが、4時間かマサキが異世界に帰る時にヘリを1台、譲ってくれ」

「俺と浩史しか動かせないので無意味じゃないですか?」

「研究は出来るであろう」

 汎用ヘリなら武装を外して置いて行ってもいいが俺のじゃないから「浩史と相談してみます」

「よろしく頼む」


 ファンドラ国についてジャック卿に聞いていると警告アラームが鳴る。

「なんじゃ?」

 レーダーを確認すると赤点がこちらに近づいて来る「魔物です」

 アーマーを展開し自動操縦を切っり操縦桿を握って火器管制システムを俺のアーマーとリンクさせると俺の視線の先に視線と同調した四角の照準が現れる。視線と同調し動く事を確認して魔物をズームして見ると『L41‐ワイバーン』と表示される。

「ワイバーンが1体、こちらに向かってきますので倒します。少し大きな音がしますので耳を塞いで下さい」

「ワイバーンじゃと!倒せるのか!?」

「問題ないです」とワイバーンを照準内に入れて20mm機関砲を数秒間撃つとレーダーから赤点が消えて落下するワイバーンが見えた。

 他に敵が居ない事を確認してアーマーを解除、リンクも切れる。

「終わったのか!?」

「倒しました」

「ワイバーンだぞ!」

「見に行きますか?」

「見たい!」

 面倒な事を聞くんじゃなかった。ヴァイパーのカメラを赤外線に切り替えてワイバーンを探し近くに着陸する。

「ついでに魔石を取ってもいいですか?」

「いいぞ」と2人で近づいて行く。

 でかいなワイバーン。

 丁度、腹ばいに倒れているのでナイフを使って胸を切り開くと魔石が砕けていた。

「これでは売れないな」

「売りませんが貰って行きます」と破片を取り出して、破片から大きさを想像すると俺の拳より大きい。

「そんな物どうするのだ?」

「知り合いの鍛冶屋が使います」

 ヘリに戻り先を急ぐ。


「マサキ、本当に1国を相手に勝てるのか?」

「勝てます」

「いくら飛んでいても魔法は当たるぞ」

「俺と浩史に魔法は効きません」

「魔法は効かないのか!」

「正確には魔法では大したダメージになりません。痛いですが我慢して、その間に敵を倒せます」

「先のワイバーン戦を見る限り嘘とも思えんが信じられんぞ」

「実際に殺し合うわけにも行きませんので信用して貰うしかないです」

「わしの魔法を1発、試すのはどうだ?」

「痛いから嫌です」

「1発ぐらい我慢すれば」などと言っているのは無視してカメラを高感度に切り替える。

 モニターに城を映し出し「あれが王都ですか?」

「もう到着したか!あれが王都だ!」と話しを変えた。

 少し離れた所に到着して「ここから歩きです」と歩いて王都に向かう。


 門は閉まっているが横の覗き窓からジャック卿と俺のカードを渡して門を開けて貰い門番が「フェレオル伯爵、この様な夜明けにいかがされましたか?」

「馬が逃げてしまってマサキと2人で歩いて来た。疲れたので屋敷で休むとする」

「それは大変お疲れでしょう。どうぞお入り下さい。マサキ様もどうぞ」とカードを返してくれた。

「では、マサキ行くぞ」

 街に入ってジャック卿の屋敷で10時まで仮眠をしてから商業ギルドにジャック卿と馬車で向かって小さな家で馬車を停められるスペースがある物件を紹介して貰う。

 受付にジャック卿が用件を伝えると直ぐに貴族風の人がやって来た。

「これはようこそお越し下さいました。本日のご用件は?」

「こっちは友人のマサキだ。家を探している」

「フェレオル伯のご友人ですか、初めましてギルド長をしております、セルジュ・ランズマンと申します」

「正樹です。小さな家を探しています」

「小さな家ですか?屋敷ではなく?」

「家と馬車が停められる場所がある家です」

「小さな家ですと馬車を停める場所まではないと思いますが、少し探してみます。こちらでお待ち下さい」と応接室に案内して貰った。

 しばらくしてギルド長と女性が木板を持って来た。

「初めましてタチアナと申します。伯爵様お久しぶりでございます」

「久しぶりだな、こっちは友人のマサキだ」

「正樹です。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします。それで家をお探しと聞き条件に合った物件をお持ちしました」と木板を見せてくれた。

 3LDKを2戸とデボラの店と似た物件を3戸、木板で見せて貰い3LDKは必要ないので店の方を見せて貰い、車の出入りが楽そうな道の1番広い石造りの物件に決め、家賃と紹介料を支払って鍵を受け取り、ジャック卿と中に入り奥の部屋に転送装置を設置してホームに戻る。

「本当に一瞬で拠点まで戻れるのだな」と感心している。

「ええ、距離は関係ありませんから」

「そうだ、連絡を取りたい時はどうすれば良いのか」と言われて、ジャック卿にビーコンを渡す為、工作室で作成してジャック卿に渡し説明する。


「マサキ、1つ頼みがあるのだが」

「内容に依りますが、何でしょう?」面倒な事を言ったら即、断ろうと思って聞いてみる。

「アレクシスをわしの屋敷に招待したいのだが、転送装置を使わしてくれ」

 そんな事?「いいですよ」

「では、アレクシスを連れて来るか」

 鳳龍店でジャック卿を見送り、ブレスレットを用意して時間を潰していると、ジャック卿が荷物を持ちアレクシスさんと戻って来た。荷物多い様な?3人でホームを経由してファンドラ王都に転送する。

「それでは3日程で帰る予定ですので帰りもお願いします」と宿泊予定を聞いた。

「マサキもどうだ?」

「何かあるのですか?」

「フェレオル伯から貴重な文献と品物などを見せて頂けるそうです」

 見るなら1人で見たい。横からあれこれ聞かれるのは嫌だな、と考えて少し用事があるので7日後に見せて貰える様にお願いしてOKして貰い、2人を見送る。

 ファンドラの家に必要な物、虫除け・家具・鍵のコピー・コンロ・コップ・皿などと用意するものを考えながら掃除をしてグロスターの魔法具店で虫除けを購入し、魔法師ギルドで鍵を複製して、端末ショップで大きい机、椅子、ソファーを選びながらレイアウトを考える。

 ファンドラの家は住居として登録しているので商売は出来ない、なので店として使う部屋には大きい机と椅子6脚を置いて雑談スペースにする。奥の休憩室には3人掛けソファーを2個とテーブルを配置する。食器棚に食器を並べて天井から虫除けをぶら下げると完成。


 ホームで待って居ると浩史達が帰って来たのでみんなにファンドラの家の鍵を渡して使用出来る事を話して、浩史に衛星の件を確認した。

「ちょっと考えたんだけど、ケーム時代は大抵エリア内で依頼なり討伐なりが完了するから衛星をそのエリアに集めてエリア全域を監視していたけど、そのやり方だとこの大陸全域を監視するのに、ざっと80基以上必要になるよ」

「80基は無理だ」俺と浩史の預金を集めても16000億Gは無理!

「だから、大きな街・砦・ダンジョンを監視対象にした方が衛星も少なくて済みそうだから変更したけど問題あった?」

「問題はないけど、お金もない」

「資金不足で衛星の製造が止まってたから、兄貴の所に2000億Gを入れておいたけど?」

 いつの間に?「それで何基まで増やすの?」

「取り敢えず30基かな?大きな街と砦で27ヶ所と俺達の支援用の3基」

「ファンドラの東に数基の衛星が集まってたけど、何かあるの?」

「前に話したファンドラ東の小国が集まった所があるんだけど、噂があるんだ!死人が蘇って生きてる人を襲う。ゾンビパックを思い出さない?」


 ゾンピパック、ある惑星に未知のウイルスが蔓延して生存者を助けに行く依頼。未知のウイルスとは感染した状態で死ぬとゾンビになり生存者を襲う、噛まれても数日で組織が壊死して死に至りゾンビになるが、死亡前に抗ウイルス薬の注射で助かる。

 ゾンビは動きも遅いし知能も低いが歯と爪が強化され無限に押し寄せる、中には防弾アーマーやコンバットアーマーを装着しているゾンビも居た。報酬も少なくゾンビを唯倒したい人向けの中々楽しいダウンロードだった。

 俺と浩史もゾンビとの戦闘にかなりの時間を費やした。安全な拠点を作りゾンビに見つからない様に生存者を連れて来る。人数によって達成率が決まるので数回街中を回って生存者を捜索するがエリア内のゾンビを全滅させても30分で復活するので隠れて進み邪魔なゾンビのみ倒す。見つかればエリア内を全滅させるまで派手な銃撃戦を繰り広げる。楽しい思い出だ。

「ゾンビパックは楽しかったけど、腐った死体は嫌だぞ」

「去年から噂にはなってたけど最近はグロスターまで逃げて来た人が増えているみたい」

 俺の話を聞いているのか?もう一度「腐った死体は嫌だぞ」

「そんな訳で衛星を使って監視してたんだけど、場所が中々判明しないからもう少し待って」と俺を無視して話は終わった。

共通スキル

オートリジェネ:自動回復は3秒間ダメージを受けないと1秒に何%回復する。1%、3%、5%、10%、15%

近接武器:近接武器の攻撃力に+補正が付く。1%、3%、5%、10%、15%

エネルギーシールド:防御力に+補正が付く。1%、3%、5%、10%、15%

レーダー:半径mのマップ表示と味方は青、人は黄、敵は赤。50m、100m、200m、300m、400m

サイレントラン:気配を消して音を立てずに走る。10%、20%、30%、40%、50%

サイレントキル:数人に連続して忍び寄り暗殺する。1人、2人、3人、4人、5人

アイテムBOX初期は10個:アイテムを持てる数。12個、15個、18個、21個、25個

※レベル5毎に1スキル選択。

※アーマーのスペシャルアイテムでオフラインシナリオクリア特典のスキル1.5倍を装備。

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