困惑
火乃華と蓮華の二人が状況を把握できずにいたころ
ある町のある空き地では二人の少年が向かい合っていた。
「・・・・・玄間・・・・飽きない?」
「うるさいわ!飽きるわけないやろ!」
口論をしている二人の少年は前に路地裏にいた少年だ。
端から見ればただの喧嘩くらいに見えるだろう
確かに喧嘩なのかもしれない
だが、その喧嘩は人間の立ち入れるような生易しいものではなかった。
「行くで!」
玄真が手を前にかざすと玄真の周りに雷が発生する。
『我が守りし秩序よ、雷の如く全てを貫け!!』
言葉と共に雷は玄真の手に集まっていき、形を作る。
雷の収まった時、玄真の手には一本の槍が握られていた。
「風斗!お前も神器出せや!」
「・・・・・飽きた」
「はぁ?」
「・・・・・やる気でない」
風斗は大きくあくびをしながら言う
その様子からは戦意がまったく感じられない
「・・・・・戦うよりも・・・・パートナー探したほうがいい」
「パートナーなんておっても邪魔なだけや!ええから神器出せや!」
「・・・・・やだ」
互いににらみ合って動こうとしない
ピリピリとした空気が流れるが、その終わりは意外なものだった。
ぐぅ~~~♪
「「・・・・・・」」
大きな音が鳴った。
その音は二人の腹からなっていた。
それの意味することは・・・・・・
「・・・・・お腹」
「減ったな~」
神界を出て人間界に来てから何も食べていない二人は空腹で限界に近い
強がっていた玄真も空腹で倒れそうになっていた。
「・・・・・死ぬかも」
「いや、俺らは死なんって。・・・・・でも、力が入らんのは問題やな」
「・・・・・」
「あ、どこ行くんや!」
「・・・・もう限界だから・・・・パートナー探す」
「お前なぁ」
「・・・・・勘違いするな・・・・飽きたっていうのは」
一瞬だけ表情をそれまでのダルそうなものから冷たく残酷なものになる
「・・・・こんな遊びみたいな・・・・殺し合いに飽きたっていう意味」
「・・・お前のそういうところ好きやで」
玄真も好戦的な笑みを浮かべて槍を消した。
「・・・・お互い・・・パートナーが見つかったら・・・・もう一度殺り合おう」
「そうやな、じゃあまたな」
「・・・・・」
「返事くらいせいや!」
二人は空き地を離れていく
そして、二人はわかっていた。
自分達を見る第三者がいたことを
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