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神力

教室に帰るとカトケンもみんなもわたしと火乃華を見て驚いていた


「お、お前等どうしたんだその怪我」


カトケンが心配するのも無理ない

火乃華は屋上での戦いで怪我だらけになっていたし、わたしもあちこち怪我してる

見た目からすると火乃華は血だらけで立っているのが不思議なくらいだけど服の下の傷は治りかけていた。

火乃華が言うには『神』に人の常識は通用しないらしい

まあ、確かに屋上でもありえないくらい跳んでたけどそんなのってあり?


「先生、何言ってるんですか?俺達は怪我なんかしてませんよ?」


はぁ?どう見ても傷だらけじゃん


「お前こそ何言ってるんだ。どう見ても傷だら」


先生が言い終わるよりも早く火乃華が軽く腕を振る

同時にカトケンだけでなくクラスのみんなまで動きを止める


「桃香!あんた今何やったの!?」


こんなの常識が通じる通じないのレベルじゃない

火乃華に詰め寄る


「慌てるなってちょっと神力でフィールド張っただけだろ?」


「しんりょく?ふぃーるど?」


「あ~わかんないか」


「あたりまえだよ。火乃華が神様だってこともさっき知ったくらいなんだよ?」


もっと言えば会ったのも今日の朝だしね


「ん~と・・・・神力が俺達『神』の能力の源でフィールドってのはその神力でできた隔離空間のこと」


「・・・・・・わかんない」


「やっぱお前馬鹿だろ」


「馬鹿じゃない!」


そりゃクラスの中では順位下のほうだし今でも都道府県全部いえないけどさ


「あんたの説明が下手なだけでしょ!」


「あれ?言い訳?」


「だ~か~ら~!」


絶対わたしのことからかってる

神様っていうより悪魔じゃない?


「まあ簡単に言うとだ俺がこの教室の時間を止めてるの・・・・OK?」


「・・・オ、オーケー」


周りをよく見ると人だけじゃなくて落ちそうになってる消しゴムなんかまで止まっていた

時間が止まったというのは本当のようだ


「まあそんなことは置いといて・・・・・ちょっと怪我したとこ見せてみろ」


「え?いいけど?」


わたしは言われたとおり腕の怪我したところを火乃華に見せる


「それじゃあ絶対に腕動かすなよ?」


「え?」


戸惑うわたしにかまわず怪我の上に手をかざす


『我、火の神として命ずる我が力を糧として邪を払え』


ボウッ!!


「え?え?ええええっっっ!!!!」


腕の傷が炎に包まれる


「て、て、手が燃えてる!!!」


「落ち着けって・・・・・・鎮」


火乃華の言葉に応じて火が消える


「え?あれ?傷が」


消えた後には傷がなく怪我をする前に戻っていた


「これでいいな」


「う、うん」


治してくれたのはうれしいけどもう少しやり方がないのかな?


「ん?よく見たら他にも怪我してるな・・・・・よし」


「い、いいよこのくらいそのうち治るって」


「遠慮するなよ・・・・いくぞ」


「ちょ、ちょっと待って」


『我、火の神として命ずる我が力を糧として邪を払え』


怪我から炎が噴出する

怪我の多さのせいで体が燃えているような気になる

熱くはないのだがかなり怖い


「・・・・まだ?」


「まだ」


「早くしてよ~」


「動くと本当に燃えるぞ?」


「そんなの嫌だ」


「嘘」


「・・・・・・」


こいつ、炎がなくなったら一回殴ってやる


「・・・・・・鎮」


炎が消え去る


「怪我治っただろ?」


「うん・・・あとこれお返し」


「え?・・・ぐほッ!!」


火乃華に一発ストレート!

蘭兄ぃにもやってるからこんなのは慣れっこ


「いきなり殴るなよな」


「自業自得♪」


あ~スッキリした


「とにかく、お前の怪我は治ったことだし・・・・換」


火乃華の制服が血だらけのものからきれいなものになる


「へ~そんなのもできるんだ。神力って便利~」


「・・・・・そんなことないさ」


「え?」


驚いて火乃華のほうをみる


「・・・・・大切なものも守れない」


そういう火乃華の顔はさっきまでの明るい顔なんかじゃなくて暗くて悲しそうに見えた


「・・・・火乃華?」


声に反応したのか急に顔を上げる


「ってのは冗談だ。騙された?」


「・・・・・馬鹿」


「馬鹿とは何だよ馬鹿とは」


「・・・・・・・」


「無視!?」


このときのわたしにはわかった

さっきのは嘘なんかじゃない

今の元気も無理してるだけってことも

でも、わたしには聞けなかった























街中のとある路地裏では二つの強大な力がぶつかり合おうとしていた


「ここであったが1000年目や、勝負せい風斗かざと


一人はばりばりの関西弁を話す高校生くらいの男

そしてもう一人は


「・・・・・玄真げんま・・・・それ100年の間違い」


風斗と呼ばれたこれまた高校生くらいの男は冷静につっこみを入れる

それに対して玄真と呼ばれた少年は大声で叫ぶ


「うるさい!とにかくやるで!」


「・・・・・・しょうがない」


二人の周りに強烈な風と雷が発生する

その光景はまさに小さな嵐のようだった


『我が守りし秩序よ、雷の如く全てを貫け!!』


『・・・・我が守りし・・・秩序よ、・・・・風の如き速さで・・・・全てを射よ!!』


二人の声に反応したように風斗の手には風が玄真の手には雷が集まる

そして、それぞれが形を作る

嵐がはれた後、風斗の手には弓矢、玄真の手には一本の槍があった


「手加減は無しやで」


「・・・・・当然」


二人が同時に駆け出す

そして、互いの武器がぶつかる


ガァン!!












次の日、その路地裏はなくなっていた

というよりも路地を作っていた二つのビルが消し飛んでいた

目撃者によると二人の高校生らしき人影を見かけたとのことだった



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