力
「なんだと!?」
突然のことにデブは驚いているようだった。
そりゃそうだよ、だって私も驚いているんだから
「・・・・・ありがとな、蓮華」
「い、いいからさっさとあいつ倒しちゃってよ!」
恥ずかしくて顔見れないよ~
「わかってる」
ボウゥッ!!
火乃華の周りが火で包まれる
私も火に包まれたが熱くなく優しい暖かさだった。
「クソッ!力が使えるようになったからといってお前の負けに変わりないんだよ!!」
デブが持ち上げていた大きな岩を投げてくる
そして、その岩も破裂し、大量のつぶてが飛んでくる
「・・・・・灰になれ!!」
火乃華がそう叫ぶと大量のつぶてが一瞬で火に包まれ焼き尽くされる
「くっ!!ならこれでどうだ!!」
そういってデブが投げてきたのは液体の入ったビンだった
「どうしようが結果は同じだ・・・・灰になれ!!」
さっきと同じように炎がビンを包むが包んだ瞬間ビンが激しい爆発を起こす
「これって!」
「そのビンには油が入っている、下手に燃やせば爆発するぞ」
もうそれって神様の力とか関係ないんじゃ・・・・・
「・・・・・・それがどうした?」
「これでお前もうかつに手は出せないだろう」
「・・・・・・・・燃え尽きろ」
火乃華がそういうとデブの周りが炎で包まれる
「あ、熱い!!ぐあぁぁぁぁ!!!」
ドンッ!!
男の持っていたビンの油に引火し激しい爆発が起きる
「あ、パートナーの人は?」
パートナーの人はずっとデブの隣にいたんだ。
無事なわけがない
「安心しろ」
「え?」
見るとパートナーの人は傷ひとつなく無事だった。
「よかった、でもどうして?」
あれだけの爆発なら火傷くらいしててもおかしくないのに
「俺があいつの周りだけ炎の壁を作ったんだよ」
「・・・・・・・」
何でもありですか・・・・
「そんなことより・・・・おい!そこのデブ」
「・・・・・・何だよ」
え?生きてるの?
「神が死ぬわけないだろ?」
「勝手に人の心を読まないで!!」
「ハイハイ」
・・・・・今度からは心読まれないように気をつけなきゃ
「お前のことを倒した奴の名前を教えてやるよ、俺の名前は火のカグツチ、またの名を津口火乃華だ」
「津口・・・・・・火乃華だな?・・・・絶対次は勝つ」
そういい残すとデブとそのパートナーは屋上を出て行った。
「おう!また来いよ」
「もう来なくていいって」
またこんなことになるの嫌なんだから
「さて、蓮華!」
「何よ」
「ごめんな」
「え?」
何で誤るの?
「突然の事とはいえお前を巻き込んじゃって・・・・・それに」
「それに?」
「・・・・・・契約のときに」
・・・・そうだった
私、こいつとキスしたんだっけ
「・・・・・・・いいよ、終わったことだし」
「ほんとにいいのか?」
「だからいいって、それにもうファーストは済んでるしね」
「そうなのか?」
「うん!だからいいの」
ま、ほんとはさっきのがファーストだけどね
「・・・・・・ありがとな」
「そ、そんな急にお礼言われても」
あれ?何で私こんなに慌ててるんだろう?
「そ、そんなことより早くしないと先生に怒られるよ?」
「そういえばそうだったな・・・・・でも、こんな傷だらけで行っても大丈夫かな?」
「・・・・・・まあ、いいんじゃない?」
「その自信はどっから湧いてくるんだよ」
「秘密♪」
「・・・・・肩かしてくれ」
「女の子の肩かりるの?」
「原因を作ったのは誰だよ」
「・・・・・・私です」
「よろしい」
結局、私が肩をかして教室まで運ぶことになった
女の子には重すぎ!!
「なあ、蓮華?」
「何?」
「お前ってさ、後悔とかしてないの?」
「後悔?何の?」
「お前は神同士の戦いに巻き込まれたんだぞ?命だって危ないときもある」
「だから、そのことはさっきも言ったでしょ?いいんだって」
「・・・・・・そっか」
「うん」
「そういうことならこれからはよろしく頼むぜ、天使さん?」
「わかってますよ、神様?」
私達はお互いに笑った
そして、私は思った
火乃華と会ったことで自分も何か変われそうな気がすると