出合い
「ここどこ?」
それがそいつの第一声だった。
私の前にいる私より頭一つ分くらい背の高い男がいて
その近くには隕石が落ちたあとのクレーターみたいなのができている。
現実ではありえないことだが私の前にいるこの赤髪は・・・・・・・
空から降ってきたんだ。
数時間前
「蓮華遅刻するぞ~」
蘭兄ぃの声が聞こえる。
私は天使蓮華
青春を謳歌している高校2年生です。
それにしても遅刻?まだ目覚まし鳴ってないのに?
布団から頭だけを出して時計を確認する。
えっと・・・SR開始が8時40分で今の時間が・・・・・8時34分・・・・あと6分・・・・・・
「やばっ!!」
すぐに布団から出てパジャマから制服に着替える。
急いで階段を下りてキッチンに行くと蘭兄ぃが料理を並べているところだった。
「なんでもっと早く起こしてくれなかったの?」
「目覚ましあっただろ?」
「鳴らなかったのよ!!」
「あっそ、ご愁傷様」
「人事か!!」
私の家族は蘭兄ぃしかいない
両親は私が4才の時に交通事故で死んだ。
それからは蘭兄ぃが一人で面倒を見てくれた。
親戚の人達が引き取ってくれるという話もあったらしいが全部断ったそうだ。
蘭兄ぃは意地悪なところもあるけど優しくて頼もしい最高の兄だと思う
私は兄のことを蘭兄ぃと呼んでいる。
「早く飯食えよ」
「食べてる時間なんてないって」
そういうと私はテーブルの上に置いてあったフルーツジュースを一気に飲み干しトースターから焼きたてのパンを取り出すとそれをくわえたままかばんを持って走って家を出た。
漫画だったら曲がり角とかでかっこいい人とぶつかったりするんだろうな
「ってそんなわけないか」
とにかく急がないと遅刻しちゃう
遅刻したら担任のカトケンの説教が待っている。
それだけは嫌だ!
・・・・・ぅぁぁぁ
ん?今なんか聞こえたような・・・・・・そんなわけないよね
・・・・ぅぁぁぁああああ
やっぱりなんか聞こえる
きょろきょろ周りを見てみるがなにもおきてはいない
う~んやっぱり気のせいかな?
まぁいっか!そんなことより学校!
・・・ぅぁぁああああ!!
今度ははっきり聞いた。
これって叫び声?
周りを見渡すが誰も叫んでなどいない
変わりに何人かが上を見上げて何か言っている。
上ってことは空?空から声がするはずがないじゃん
そう思いながら空を見上げると雲ひとつない青空の一箇所に小さな点が見える。
その点は少しずつ大きくなっていく
というより落ちてくる。
「何あれ?」
「うああああああ!!!!」
「叫んでるってことは・・・・人!?」
何で人が空から降ってくるの?
何でパラシュートつけてないの?
「そこどけぇ!!!」
「え?ええええ!?」
なんでこっちくるのよ!
さっとその場を離れるとさっきまでいた場所にすごい勢いで落ちてきた人がぶつかった。
うわ~嫌なもの見ちゃったな
「う~いててて」
「はぁ!?」
何で生きてるの?
とりあえず面倒なことに巻き込まれる前に・・・・逃げる!
「おい!そこの」
無視する
だって私とは限らないし
「そこのブス校生」
「だれがブス校生よ!」
あ、反応しちゃった
私のバカ!
「ここどこ?」
・・・・はぁ?
「君何言ってるの?」
「ここがどこかって聞いてるんだけど」
「ここは日本ですがなにか?」
「・・・・・・・お前ってバカ?」
初めて会った奴にバカ呼ばわりされた!?
こいつ本気で殴りたい
「まあいいやお前ここら辺に高校」
高校?
「あ!!!!」
「な、何だよ」
「急がないと学校に遅れる!」
私は男をその場に置き去りにして学校に向かった。
「おい!お前の高校ってどこだよ」
などの男の声が聞こえたが聞かなかったことにする。
あいつのことは近くの人が何とかしてくれるだろう
高校にて
「はぁ~何とか間に合った」
「蓮華ぎりぎりだね~」
「桃香もいつもはぎりぎりじゃん」
「まあね♪」
この下手をすれば小学生でも通じるような顔と身長をした女の子は桃下桃香
私の親友で学校一の天才っ娘です。
「ねぇ蓮華って好きな男子とかいる?」
「なんでこのタイミング?」
ちなみに現在SRの真っ最中
「まあいいから」
「う~ん好きな男子か」
何人か仲のいい友達はいるけど恋愛対象じゃないし
「いないね」
「えーそうなの?私はいるけどな」
「嘘!?誰なの?」
「えーでも・・・・」
そこまで言ったんだから最後までいちゃえ
「いいから」
「・・・・・・・津口君」
あれ?そんな名前の人いたっけ?
「隣のクラスの人?」
「え?同じクラスだけど?」
同じクラス?そんな名前の人いなかったと思ったけどな
「噂をすれば来たよあれが津口君」
どれどれ桃香の好きな人ってどんな人かな・・・・・・・・え?
「スイマセ~ン遅れました~」
そこに立っていたのは・・・・
「遅いじゃないか後で職員室に来い」
「ハ~イ」
「何であんたがここにいるのよ!!!!!」
そこに立っていたのはさっきの赤い髪の男だった。