天然娘 登場
「一生懸命頑張りますので、皆さんよろしくお願いしまーす」周りから拍手が鳴り響いた。山田エミは宮崎県の山奥から東京へ引っ越し、まさに今日がその初出勤の日なのである。田舎暮らし時代にはほとんど着ることのなかったスーツ、そして初めて体験した満員電車での通勤のため朝からエミは疲れ果てていた。
「早速だけど、この資料を10部コピーお願い」先輩から指示が。えーと、このクマゴロー誰だっけ?あっ、そーだ熊に似ているってことで覚えた月野さんだった。
「月野さん、どこでコピーするのか教えて下さい」月野は可愛い後輩ができ、内心嬉しくてたまらなかった。
「では、ついておいで」と言いながら歩き出す。エミは月野先輩に連れられコピー機のところへ。
「あれっ、これコピー機なのですね。随分立派ですねぇ」コピー機をあれこれ見て驚いているエミの手から月野は資料をもぎ取りコピー機へセットしスタートボタンを押す。
「わーーー早い、しかもカラーじゃないですかぁ」エミは思ったままのことを言っただけであるが、その言葉に月野は棒立ちなり固まっていた。
「私が使ったことあるコピー機は、1枚毎にしかできなかったし、ましてや白黒でした。こんなすごいコピー機があるのですね」
「驚いたのはこっちだよ。MFPごときにこんなにびっくりした人は初めてだよ」
「MFPって?」
「そかそか、さっきの話からするとMFPなんて知らないよな。これは正確にはデジタル複合機と言って略称MFPと呼んでいるんだよ。コピーのほか、プリンタやFAXの機能ももっているんだ。A4カラー両面印刷で毎分350枚の性能を誇るんだよ。当社の関係会社で作っているんだ」
「へー、すごいんですねぇ、でも高そー」
「これからは山田さんも、こういった製品をお客様へ紹介していくのだよ」
「はい、わかりました。頑張ります」エミは意欲的に応じた。