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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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秋の勉強会にて 菜々美とここね 4

「ああああああ‼」


 夢での爆発の勢いのまま、本当に飛び上がって起きた菜々美(ななみ)。近くにここねがいたため、着地は気をつけた。


 ここねのベッドにふわりと降りて五秒。


「あああああああああああ……」


 今まで自分はここねのベッドで眠っていたことを自覚し、爆発しそうになる。


「くっ……‼」


 しかし菜々美は耐える。ここねが気持ち良さげに眠っているからだ。


 でもここねのベッドで自分は眠っていたのだ。そしておそらく添い寝。


「ああああ……ああ…………あああああ……‼」


 腕と脚を同時に動かしながら、なんとかベッドから離れた菜々美は、そろそろと離れる。


「ん……ななみちゃん……」

「こっこここここっここっこここ――ここね⁉」


 菜々美の目には、温かな陽だまりに照らされて目覚める王女のように映るここねが、あくびをしながら目覚める。


「一緒に寝てくれないの……?」

「あっ、ああ、でもっわたっわたっああっ――」

「今日は誰もいないんだよ?」


 意地でも爆発するものかと耐える菜々美を、ここねの甘い声がくすぐる。


 菜々美もここねと一緒に寝たいのだ。でも身体がそれを許してくれない。早く慣れなけらばならないのに慣れない、もどかしくて仕方がない。


「うう……‼」


 唇を噛みしめながら、床を這ってベッドまで向かう。


 相反する感情を抱きながら、でもその全てをここねへの愛で一緒くたにする。


 やがて、ここねの下まで辿り着いた菜々美。


「えへへ、やっと来てくれた」

「うわへへ……」


 耳元で囁かれ、手を繋がれる。そして半身にここねの体温を感じて、菜々美は爆発せず、意識を手放すのだった。

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