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秋の勉強会にて 涼香と涼音 4
「しんどい……」
シャカシャカと、生クリームを泡立て器で混ぜ混ぜしていた涼音。 結構ホイップクリームになってきたが、あともう少しかかりそうだ。
「涼音! 頑張るのよ!」
「あなたは早く終わらせなさい」
「ああ涼音! 涼音ぇぇぇぇぇぇぇ‼」
「うるさいですね」
なんか連れていかれそうになっている声を出しているが、涼香は座ったままで動く気配は無い。
涼音は残る力を振り絞り、泡立て器で混ぜ混ぜ。やがてホイップクリームが完成すると、それと同時に涼香の勉強が終わった。
「まあ、及第点というところね」
「あとはお願いしてもいい? あたしもう疲れた」
「そうね、休んでなさい」
涼香の母と交代して、涼音は涼香の正面に座る。疲れて突っ伏した涼音の頭に涼香の手が乗せられる。
「お疲れ様、あとは任せなさい。お母さんに」
「はーい……」
頭に乗せられた涼香の手を掴み、自分の頬を触らせる涼音であった。




