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秋の勉強会にて 涼香と涼音 2
大人しく待てと言ったが、大人しく待つ羽目になったのは涼音の方だった。
「まだ終わらないんですか」
「大人しく待ちなさい」
大人しく勉強をしている涼香にそう言われ、頬を膨らませる涼音であった。
「涼音ちゃんも勉強しないさいよ」
「ええー、面倒なんだよなー」
そんなにも暇ならついでに勉強を見ると、涼香の母は言うが、涼音はやる気無くテーブルに突っ伏す。
そこは邪魔なのだが、涼香も涼香の母も、涼音が可愛いためなにも言わない。
「涼香、答えが全部涼音ちゃんになっているわよ」
「涼音が可愛いのがいけないのよ‼」
「出直しましょうか?」
「お菓子作ってくれると嬉しいわ」
「えぇ……」
暇ならお菓子休憩のためのお菓子を作ってくれということだ。材料は全て揃っているらしく、やる気があるのなら作れる。
「仕方ないなあ……」
どうせやることも無い。それならば、暇つぶしがてらお菓子を作ろうと決めた涼音であった。




