表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

895/930

ゲーム部にて 14

「ゲームの世界なのに、気を失うんですね」

「なかなか鋭いではないの」


 意識を失っているすずらんを、しゃがんで観察をしている涼香(りょうか)涼音(すずね)。起こそうともせず、ただ観察しているだけ。


「生きてるんですかね」

「生きているわよ、きっと……」


 とりあえずひっぱたいて見ようかと考える。


「「うーん……」」


 とりあえず、千春(ちはる)千秋(ちあき)の方を見てみると、戦闘中だった。


 二人が終わるまで待つか、先にすずらんを起こすか。


 別にどっちでもいいのだが、なんとなくやる気が出なかった。


「なんか、あたし疲れました」

「お姉ちゃんが膝枕してあげようではないの」

「誰がお姉ちゃんですか」


 起こせばいい。しかしやる気が出ない。気力を使い切ってしまったのだろうか。


 とりあえずしゃがみっぱなしで足が痛くなってきた二人は立ち上がる。するとバランスを崩した涼香がすずらんの上へ落ちてしまった。


「あら」

「あー……」


 それに反応できない涼音は、とりあえず声だけを出していた。


「ぐぅっへぇぇ⁉」

「ごめんなさい」


 一気に体力が一になったすずらんが咳き込んで目を覚ました。ゲームの世界でなければ、内蔵が無事では済まなかったかもしれない。


「いってぇな‼」


 腹の上に乗る涼香を転がしたすずらんがよろよろと起き上がる。


「あなた、体力が一ではないの」

「てめぇのせいだよ!」

「目を覚ましましたね、良かったです」


 転んだ涼香の隣で寝そべっている涼音が平坦な声で言う。


「あら、やる気スイッチがオフになっているではないの」


 涼香が涼音のやる気スイッチをオンにしてあげると、涼音は立ち上がり、涼香を立ち上がらせる。そしてポケットをゴソゴソと、緑の豆を取りだしてすずらんに渡す。


「食べてください、体力回復しますよ」

「一粒で十日分じゃねえか……」


 ありがたく頂戴した回復アイテムで、全快したすずらんであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ