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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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892/930

ゲーム部にて 11

 地面が揺れる。その揺れは一定間隔で起き、揺れる度涼香(りょうか)達の足は浮く。


「トランポリンみたいではないの」

「呑気なこと言ってる場合ですか」


 なんか揺れるのが気持ち悪いため、空中に浮いている涼音(すずね)が涼香を持ち上げようとする。


「受け身の練習にピッタリじゃあないか!」

「埋まればいいのに……」


 着地する度に受身を取る千春(ちはる)に辛辣な言葉を浴びせる千秋(ちあき)


 そんな呑気なことを言っていると、不意に影ができて四人を覆いかぶさった。でかい雲でもできたのかと、地面の揺れが無くなっていたことに気づいたのと、空を見上げるのは同時だった。


「なるほど、そういうことね」

「どっち見ればいいんですかね?」

「おいおいおい、よく被さったな」

「石でも投げてやろうかしら」


 四人の見上げる先には、見上げる程の大きな全身真っ黒な巨人、そしてその上の空間から、普通の人間の首から下が垂れ下がっていた。


「涼音、引っ張れる?」

「いやあ、邪魔されるんじゃないんですか?」

「あの巨人に取ってもらえば?」

「力加減の関係で潰れるわよ。知らないけど」

「「「「うーん……」」」」


 四人を見下ろす巨人から目を逸らしながら、ぶら下がる人観察する。


「というかあれ、すずらんではないの?」

「だと思うぜ、一応装備聞いていたし」

「なるほど、いいことを思いついたわ」


 涼音に抱きかかえられながら涼香が綺麗なウインクをする。


 またロクでもないことを言い出すのだろうと誰もが考えた時――空から拳が襲いかかる。


「あっぶなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 その拳は涼香と涼音を避け、千春と千秋に振り下ろされた。


「囮になりなさい‼ その間に私はすずらんを助けるわ! さあ涼音! 上がりなさい‼」

「はーい」


 巨人の攻撃が千春と千秋に向かっている隙に、涼香を抱えた涼音が上昇を始める。邪魔されること無くぶら下がっているすずらんの下へ辿り着く。


「すずらん、聞こえたら返事しなさい!」


 そう言いながらすずらんの足を持って、下に引っ張る涼香であった。

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