表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

890/930

ゲーム部にて 9

「……聞いていた話と違うわね」


 ゲームの世界へやってきた千秋(ちあき)は、とりあえず千春(ちはる)をぶん投げてから聞いていた話との差異に眉根を寄せていた。


『チアキ 職業:武闘家・レベル:四十三 体力:百四十五 魔力量:六十 魔力:十五 攻撃力:百七十 防御力:百五 素早さ:百五十八 千春への文句の数:三十一』


 千秋のステータスはレベルが高い。そしてなぜか、涼香(りょうか)涼音(すずね)、千春の三人もレベルが高くなっていた。


「努力も無しにそのレベル、邪道ね」

「先輩がそれを言いますか?」

「あなた達、まだ城にいるはずじゃないの? それとも、滅ぼしたの?」


 涼香達がいたのは、暗い空、瓦礫の山、そんな景色が見える場所。


「魔王の城を沈めたところよ」

「…………早すぎない?」

「おいおいおい……私達を舐めてもらっちゃあ困るな」


 体力が半分に減った千春が不敵に笑う。


 なにをすれば、この数分の間で終盤まで進めることができるのだろうか。千秋はそれが気になったが、別に知らなくても良いことだしツッコまないことにした。


 そして千秋がなにも聞かなければ説明しなくてもいい。なんとなくこの場に似合わないほのぼのとした空気が漂う。


「魔王を倒しても、すずらんは見つからないのよね」

「どこにいるんですかね」

高野(こうや)すずらんならトイレで会ったわよ」

「「えぇ……」」

「まあ、トイレもあるしな」

「待ちなさい、ゲームの世界に取り込まれたと言っていたではないの」

「そんなこと言ってたの?」


 千秋がすずらんから聞いた話と少し違う。ゲーム世界に取り込まれたとは言っていなかった。


「でも別にいいわ。ちーちゃん見つけたし」


 ただ、千秋にとってはどうでもいいことだった。


「さっさと見つけましょ」


 さっさと戻りたい千秋がすずらんを探し始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ