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涼音の部屋にて 4
ある日のこと。
「先輩あっ、なんでもないです」
「なんでもない訳ないではないの」
涼香は涼音の隣に近づき、ぐりぐりと頭で攻撃する。
「なんなんですか鬱陶しい」
「でも本当は?」
「鬱陶しいです」
二回言われ、大人しく離れる涼香。どことなく悲しそうな表情であった。
いじけてしまった涼香に、涼音は同じことをやり返す。
ぐりぐりと頭で涼香を攻撃すると、涼香はタコのように涼音を捕まえた。
「ふふっ、逃がさないわよ」
「あー! 離してくださいっ」
ジタバタもがく涼音を離さない涼香であった。




