学校にて 7
まさに理想の超絶美人。他の学年の超絶美人枠はこうなんだろうなと、感動を覚えながらの日常。
涼香と涼香の母が入れ替わっている間は、気を張らなくてもいいし、リラックスして過ごすことができる。できるのだが――。
「……物足りない」
誰かが言ったその言葉に一同頷く。
「重症ね」
そんな同級生を涼香の母(体は涼香)は半目で見る。
「アレなんですよ、なんか、涼香が賢くなった時も感動をしたんですけど、多分完璧な涼香って涼香じゃないというべきか、なんか物足りなくて、今日もマジで楽だったんですけど……物足りない‼」
「……涼香が迷惑をかけすぎてるのね。ごめんなさい、いつもありがとう」
いたたまれない気持ちになる涼香の母である。
そんな涼香の母の肩を叩く者が一人。
「あら、涼音ちゃん。どうしたのよ、そんな最後の楽しみに取っていたおかずを落として三分後のような顔をして」
そんな顔をしていた涼音が、涼香の母にスマホの画面を見せる。
「……、よくできているわね」
「目を逸らさないで」
見て見ぬふりをしようとしたが、涼音に捕まってしまう。
「綺麗なモザイクアートね」
「なんで……?」
スマホの画面には、涼音の写真を部屋に貼りまくり、綺麗な涼音モザイクアートの写真が写っていた。




