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学校にて 6
「ということで――」
「しばらく私が学校へ来るわ」
「「「「「「「「えぇ……」」」」」」」」
翌日、早速涼音は事情を伝える。
それを聞いた一同のリアクションは戸惑いだ。なんせ見た目は女子高生だが、中身は四十を過ぎた人間なのだ。しかも友達の親。
まあ、涼香の母は見た目も若々しいため、入れ替わっていなくても違和感が無い。実際昨日は、驚く程なにも起きなかった。
「理想の超絶美人よ、今のうちに堪能しなさい」
「うわ、自分で言う……」
「事実よ」
「えっと……涼香は……?」
そしてこうなった時に心配するのは、当然涼香の行方だ。
代表した若菜の疑問に答えるのは、涼香の母だった。
「留守番させているわ。大丈夫、安全対策は怠ってないわよ」
「でも涼香って想像を斜め上に抉ってくるんじゃ……」
「大量のあたしの写真を整理してます……」
「「「「「「「「あぁ……」」」」」」」」
それなら安心だなと、表情の抜けた涼音の顔を見て思うのだった。




