学校にて 5
「って感じで、しばらくこのままです」
「「「「「「「「うわあ……」」」」」」」」
一部始終を読んだ一同の中に、重たい空気が漂う。
頭をぶつけて入れ替わったのなら、もう一度ぶつければいいのでは? ということで、もう一度ぶつかったが、ただ痛いだけだった。
「まあ、別に入れ替わってもって感じだけど……」
代表して若菜が言う。
「いや、あたしはなんか気持ち悪いんで戻ってほしいです」
「だよね、違和感が凄い」
しかしすぐさま主張を変える。やっぱり無理だ。涼香の母を知らないならまだしも、なんやかんやで若菜達は知っている。だからどうしても見た目と中身のギャップで胸やけを起こしてしまうのだ。
「さて、あなた達、涼音の可愛さを目に焼き付けるはいいけどもう授業が始まるわよ」
「言いそうで言わないんですよね、まともなことでも」
「確かに、涼香のお母さんだったら言わなそう。まともなこと言ってるのに」
「涼音も教室に戻った方がいいわよ。お姉ちゃんが送ってあげましょうか?」
「だれがお姉ちゃんですか」
そう捨て台詞を吐いて、涼音は教室へと戻るのだった。




