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涼音の部屋にて 3
「暗くなるのが早ければ、早く寝たくなるわよね?」
「おやすみなさい」
「意地悪言わないの」
「なんなんですか?」
ある日のこと。帰宅後涼音の部屋へ来ていた涼香。
夏とは違い、十八時を超えた頃には日は沈んで夜が訪れる。
「今日は一緒に寝ましょう?」
「明日学校なんで家で寝てください」
「ここも私の家よ!」
「じゃあ先輩の家もあたしの家ですね。家で寝ます」
そう言って、部屋から出ていこうとする涼音の身体に、タコのように巻きついて阻止する涼香である。
「意地悪ね!」
「ああもう! 何なんですか!」
「涼音のお姉ちゃんよ‼」
「違いますよ‼」




