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涼音の部屋にて 2
ある時、いつもの如く、唐突に涼香が言った。
「涼音に頭を撫でられたいわ」
「疲れてます……?」
そう言いながら、なんの躊躇いも無く涼香の頭を撫でる涼音。
「素直ではないの」
「あたしはいっつも素直ですよー」
最後におでこをペちんと叩いて頭を撫でるのを終わる。
「暴力反対よ! 痛いわ! 撫でなさい。痛いの痛いの飛んでいかせなさい‼」
そう言って迫ってくる涼香の腕をつねってみる涼音。
「痛いではないの‼」
「はい、痛いの飛んでいきましたよ」
「次は腕が痛いわ……」
おでこの痛いのは消えたが、次は腕が痛い。
「疼きますか?」
「くっ……! 右腕が……⁉」
「つねったの左なんですけどね」
「涼音から見れば右ではないの!」
「えぇ……」




