表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/931

図書室にて 2

 ある日の放課後。


「久しぶりに一緒になったわね」


「ですね」


 涼香(りょうか)涼音(すずね)は図書室に来ていた。


 二人は共に図書委員会に所属していたが、揃って仕事をする機会はほとんどなかった。恐らく今年度二回目とかそれぐらい。


 図書室は常に開放しているが、図書委員が仕事をするのは昼休みと放課後のみ、それ以外の時間は司書教諭のみが仕事をしている。


「まずは返却された本を戻していきましょうか」


 涼音が返却された本が入ったワゴンを押す。


 そのテキパキと仕事をする姿に涼香は涙を禁じ得なかった。


「成長したわね、もう私はいらないんじゃないかし「サボらないでください」


「冗談よ」


 肩を竦めた涼香がテーブルに置いてある本を数冊取ると涼音を追いかける。


「涼音、乗ってる本のほとんどはあっちの書架よ」


 涼香の言葉に従って涼音はワゴンを動かす。


 二人は黙って本を書架に戻していく。まだ放課後になったばかり、利用者のいない図書館で黙々と作業を続ける。


「ねえ涼音」


「……なんですか?」


 高い場所の本を戻してもらうため涼香に本を差し出す。


「呼んだだけよ」


「なんですか、それ」


 涼音が笑いながら言う。


 本を受け取った涼香が本を戻そうと腕を上げる。


「ねえ……涼音」


「なんですか?」


 下の書架に本を戻していた涼音が顔を上げる。


「肩を……痛めたわ」


「えぇ……」


 こうしていつも通りの緩慢な放課後が過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ