859/930
寄り道にて 2
鮮魚コーナーを見終え、もう帰ろうかとなったが、せっかく来たのだからもう少しぶらぶらしましょうとのことで、涼香と涼音はとりあえず本屋へやってきた。
「しばらく来ていないと、色々と増えているわね」
「そうなんですねー」
特に目的は無いが中をぶらぶら――と見せかけて、涼香がやってきたのは図鑑を置いている場所だ。
「良いではないの」
「家にもあるんじゃないんですか?」
「家で見るのと、こうしてお店で見るのは違うのよ」
そんなことを言う涼香に、深海並の冷たい目を向ける涼音。
「照れるわね」
冷たい目に対抗するため、赤く頬を染めてみる涼香であった。




