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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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文化祭にて 89

 時刻は十五時を過ぎ、文化祭もいよいよ終盤だ。


「早いものね、もう終わりではないの」

「確かに、あと一時間半ですもんね」


 文化祭は十六時三十分まで、そこからは軽い片付けに入り、本格的な片付けは後日だ。


「濃い文化祭だったわ、私は幸せよ。涼音(すずね)と最後の文化祭だから」

「……」


 流し目でそう言う涼香(りょうか)に、涼音は無言で冷ややかな目を向ける。


「来年は来校者で行くわね!」

「来ないでください」

「反抗期⁉」


 即答に即答する。今が文化祭だろうがそうでなくても、二人のやること、関係は変わらない。

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