840/930
文化祭にて 78
みんなでワイワイ、そんな文化祭の中、涼香と涼音はそれをとはかけ離れた空気を醸し出していた。主に涼音が。
「涼音、疲れたのならお姉ちゃんがおんぶしてあげましょうか?」
「誰がお姉ちゃんですか。しばらく休むって選択肢、作ってくださいよ」
どこに入ろうかと歩き回っていると、あまりの人の多さに涼音がノックダウン。そして休憩を取っていた。
もう人目なんてどうでもいいと、文化祭テンションを保っている涼音は涼香にもたれかかる。
「もうっ、涼音が可愛いのがいけないのよ」
「さっきから同じことしか言ってないじゃないですか」
そんな涼音の写真を撮りたいという衝動を抑えながら、涼香は黙って涼音を休ませてあげるのだった。
「……涼音が可愛いからよ」




