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文化祭にて 76
貰った似顔絵をクリアファイルに入れてもらい、再び校舎を練り歩く涼香と涼音。
次の目的地は特に考えておらず、どうしようかと話しながら歩く。
「どこへ行きましょうか」
「そうですね……」
足を止め、考えるが本当になにも思いつかない。
「なーんにも、思いつかないです」
本当になにも思いつかない。割と涼音は満足していた。
「帰ります?」
「それは嫌よ!」
あとはもう、静かに涼香と過ごしたい。ただ、それを涼香は許してくれない。
「じゃあ考えてくださいよ」
「どうせ嫌って言うではないの」
「先輩があたしが行きたがらない場所に連れていこうとするから」
「涼音が可愛いのがいけないのよ‼」




