文化祭にて 64
とりあえずこの水筒をどうしようかと考え、これを探していた菜々美とここねに任せることにする。
「二人共、はい、これ」
「あっ、ありがとうございます」
紗里が水筒を二人に渡せば、菜々美とここねがここに留まる理由は無くなった。それでも、せっかくこうして集まったのだしと、なかなか動けないでいると、天理と彩羽が助け舟を出してくれた。
「まずはそれを届けに行きましょうか」
「そしたらちょっとお話でもしようよ。お茶も入れてくれるみたいだし」
上手く纏まりそうだったため、千春と千秋は黙って見ていた。
その隣では、涼香と涼音、紗里と翔がいる。水筒を持っていくにしても、涼音が地下校舎に行きたがらないため、別にこの話に入らなくても大丈夫なのだ。
「一件落着みたいだし、そろそろ行きましょうか」
「そですね」
「じゃあ、気をつけてね」
紗里と翔に別れを告げ、菜々美達にも声をかける。
「じゃあ私達は行くわよ」
「すいません、お邪魔しました」
そう言ってあっさりその場が収まった。
最初の散らかり具合はなんだったのかと疑問に思ってしまう程。
次に紗里と翔が別れ、残ったのは菜々美、ここね、天理、彩羽、千春、千秋の六人である。
お茶の前に、水筒を届けることに決まり、六人で地下校舎へ行くことに決定した。




