表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

818/931

文化祭にて 56

「……本当になんの用?」

「んー、なんとなくかな」


 そんなここねの言葉に、恐ろしいものを見たような表情を浮かべる菜々美(ななみ)神鳴(かんな)である。


 怪しい薬品部の部室として使っているこの教室は、一般的な理科室と変わらない。強いていえば窓があるかないかの違いだ。


 そんな理科室のテーブルの上に、中身を飲み干した小瓶を置いた神鳴はその場で頭を抱える。


「嫌だ嫌だぁぁぁぁ! 用も無しにこんな所に来るなんて陽の者すぎるよぉぉぉぉぉぉぉ! 血筋的に陽の光に弱いのにぃぃぃぃぃぃぃ!」

「えへへ、慣れれば大丈夫だよ」

「そんな無責任なぁ‼」

「えっと、ここね? やっぱり出ましょ? 神鳴の身体が大変なことになるわよ」

「でも、待ったをかけたのは神鳴ちゃんだよ?」

「…………それもそうね」


 確かに、思い出せば出て行こうとした二人を引き止めたのは他でもない、神鳴自身なのだ。


 ああだこうだ言っているが、いてほしいのだろうか。


「用があると思ったから引き止めだけだよぅ……」


 力無く答える神鳴に、菜々美は申し訳ない気持ちになる。


 再びげっそりとしてきた神鳴は、再び白衣のポケットから小瓶を取り出して中身を飲み干す。


「これが無いとやってらんない……!」


 何本も飲んでも大丈夫な物なのか、疑問に思ったが聞かないことにする。


 ここねは菜々美と顔を見合わし、外に出ようか? と目で会話していると、今日何度目か、神鳴の絶叫が響いた。


「ああああああああああああああああっ⁉ 怪しい薬品が無くなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ