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文化祭にて 53
絵画部へ向かうと思いきや、涼香と涼音はフランクフルトを食べながら、とりあえず体育館へと向かっていた。
見るだけなら問題無いだろうし、三年生も多い。思いのほか安全地帯だと思う。
「この時間は演劇部ですね」
「面白そうではないの」
「人魚姫 THE Future――らしいです」
「面白そうではないの」
「ほんとに思ってますかあ?」
「当然ではないの」
自信に満ち溢れた返答。疑っていた涼音も、不思議と面白そうと思ってきた。
そうして体育館へやってくると、テレビが来たのかと見紛う程騒ぎになったがなんとか沈静化し、入口で演劇のパンフレットを貰う。
涼香と涼音は、他の三年生達にさりげなく流され、落ち着ける場所を取ることができた。
劇は中盤を過ぎた頃だろうか、見ただけではよく解らなかった。
話に追いつくため、とりあえずパンフレットを見る涼香と涼音である。




