獅子は我が子を千尋の谷に落とす
「「我々占い部は、文化祭ではそこそこ人気になります」」
教室の一角をパーテーションで仕切られただけの占い部の活動場所にて、春と秋は唯一の部員、一年の日花と月花の双子姉妹に言う。
占いという性質上、やはり多感な時期の生徒には人気だ。普段はなかなか足を踏み入れにくい占い部だが、文化祭みたいなお祭りの時は足を踏み入れやすい。
「「は〜い」」
頑張ります! と元気に手を突き上げる日花と、恥ずかしかっている訳ではないが、控えめに腕を持ち上げる月花。
二人はかなりの性格の差があるが、やはり双子というべきか、動きは似ている。
それを満足気に見た春と秋はうんうんと頷く。二人は鏡写しのように動きが全て同じ。全く同時に動いている。先輩双子としての圧倒的技術の差だ。
「「だから大切なのは呼び込み! それに二人はうってつけ! 人が多くなるとその分経験が積める!」」
「「はい!」」
「「今年の文化祭、我が占い部始まって以来、最高の忙しさになる!」」
「「はい!」」
「「心してかかれーい!」」
「「は〜い!」」




