彩られた天の下で 4
とりあえず、駅近くのラーメン屋に入った四人は、テーブル席に着いていた。
電車で帰らなければならない菜々美が少しでも早く帰られるようにだ。
注文を終え、ラーメンがくるのを待つ間に、天理はお冷を飲んでから口を開く。
「お願いとは、どういったお願いなんでしょうか?」
菜々美と天理と彩羽は同じ店でアルバイトをしている。こうした場面を作らなくても話はできるのだが、わざわざこうして話す場面を作っている。
それ相応のお願いがあるということが察せられる。
「えっと……文化祭に来て欲しくて」
「文化祭に?」
そう返したのは彩羽だ。天理と彩羽は目を合わせ、同時に軽く首を傾げた。
「普通に誘ってくれればいいのに」
「普通に誘わないということは、なにか役割を与えられるということでしょうか?」
「二人もよく知ってると思うけど、天理さんが学校行けば騒ぎになるよ?」
今度は菜々美とここねが頷く番だ。
「はい。むしろ騒ぎになってほしくて」
「だから普通に誘って来てもらうのはずるい気がしたんです」
「なるほど。それで、当日私はどうすればいいのですか?」
身を乗り出した天理に、こうなることは解っていたというリアクションを取る彩羽。
菜々美もここねも断られるとはないだろうと考えていたが、やっぱり安心はする。
そして注文していたラーメンがやってきた。
話は中断。続きは腹を満たしてからだ。




