お菓子パーティーにて 12
三分経つと、実祈はスっとカップ麺の蓋を開け、菜箸で麺をほぐした後、備え付けの冷蔵庫からタッパーを取り出した。
そのタッパーからプルプルのチャーシューを取り出し、カップ麺にトッピングしていく。
「うわ美味しそう……」
「さっすがあ」
「見なさい涼音! 美味しそうではないの!」
「ほんとですね」
四人それぞれ異なる反応を示すが、そのどれも称賛するものだ。
よせやいと仕草をした実祈はどこか照れくさそうで誇らしそうだ。
「へいお待ち‼」
そしてチャーシューの乗ったカップ麺が四人の前に置かれた。
一目見ただけで解る。このチャーシューを作るのに、どれ程手間がかかっているのか。つやつやの茶色いチャーシュー。醤油などで作られたつけダレの香りが湯気と共に鼻腔をくすぐる。
涼香が四人分の箸を渡し、若菜が減った水をコップにつぎ足して順番完了だ。
「「「「いただきます」」」」
そう言って四人はラーメンを食べ始める。
「この出汁! 魚介の旨みが出ていて美味しいではないの!」
「まさかカレーとラーメンの相性がここまでいいとは……!」
「コクのある味噌が麺に絡みつく……」
そんな涼香と若菜と千春のリアクションの後、一瞬の間があり涼音が続いた。
「やっぱり塩はあっさりしてていいですね」
そんな四人の感想を聞いた実祈はたっぷりとタメて叫ぶ。
「チャーシュー食べてよ!」




