お菓子パーティーにて 6
「いや、マジだったわ」
ぜーはーぜーはー言いながら、教室に戻ってきた千春が言う。
先程聞こえた金切り声、それがどこから聞こえたのかを、涼香は見事言い当てたことになる。
「さすが先輩……‼」
「ふふっ、褒めても涼音への愛しか出ないわよ」
そんな涼香を三人は無視して、若菜がポテトチップスをぼりぼり食べながら聞く。
「どうする? 行く?」
「他学年もいたからやめた方がいいよ。私と若菜が行く分にはいいと思うけど、二人はなあ……」
涼香はソワソワしているが、涼音はどうでもいい様子だ。
「あー、じゃあお菓子パーティー続行で」
「あら、行かないの?」
「行ってもどうにもなりませんよ。人も多いし、行く意味無いです」
「それもそうね」
涼音の言葉に納得した涼香は素直にお菓子パーティーを続行する。
なにか事件が起きたとかそんなことでは無いだろうし、もしそうなのだとしたら、ますます涼香達が行く意味は無い。無駄に現場を混乱させるだけだ。
なにかが起きたが、今の涼香達には関係無い、それは教師陣と当事者に任せればいいだろう。
だから気を取り直して、お菓子パーティーを再開しようとして――再び金切り声が聞こえた。
「二階から三階に上がる踊り場ね」
「ひゃっ……!」
「確かに近かったけど……」
「おいおいおい、また私に見に行けってか? 任せろ‼」
再び、声のした方へ走る千春であった。




