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お菓子パーティーにて 5
「買ってきたぜ……!」
「あら、早かったわね」
息を切らしながら、そして汗に濡れながら帰ってきた千春。間違い無く走って買いに行ったのだろう。
買ってきたお菓子の種類は同じで、最初千春と若菜が取り出したお菓子も、今行ったコンビニと同じコンビニで買った物だ。
「おー、お疲れ」
「どうもです」
本日二度目のお菓子の袋をガサガサ開く作業をする。まるで時間が戻ったかのような光景だ。
「さーて気を取り直して! 再開――っと」
とりあえず、これで元の空気に戻ったはずだ。千春の案は割と上手くいった。
そこからは、お菓子パーティーらしくなんてことの無い会話をしながらちまちまとお菓子を摘む。
そして、そんな和やかな時間を引き裂く金切り声が聞こえた――。
「この声は二階の特別棟、奥から三番目の部屋からよ‼」
「ほんとですかあ?」
その声がどこから聞こえたのか瞬時に判断した涼香とそんな涼香に胡乱気な眼差しを向ける涼音であった。