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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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お菓子パーティーにて 2

 全てのお菓子の封を空ける。俗に言うパーティー開けというもので。


 これでもう、全て残さず食べるしかない。


 六つ全てのお菓子を食べ切る、それが今日のミッションだ。


「いただきまーす」


 そう言って、お菓子に手を伸ばした若菜(わかな)を止めるのは千春(ちはる)だ。


「おいおいおい、それじゃあ面白く無いぜ」

「あら、あれをやるのね」

「あれってなんですか?」

「さあ?」

「えぇ……」


 そんな千春の言葉に乗ってみた涼香(りょうか)だが、涼音(すずね)の質問には答えられない。乗ってみただけだから。


 三人の視線が千春に向く。


 すると千春は、六つのお菓子をひとつにまとめる。裏返したトランプをわーっと混ぜるようにだ。


「闇のお菓子パーティーの始まりだぜ」


 ひとまとめにしたお菓子、チョコ菓子に砕けたポテトチップスやその塩がついていたりする。


「せっかくのお菓子になにやってんの……?」

「いっぱい割れたではないの」

「うわぁ……」

「え、ごめん……」


 盛り上がりを期待したが、三人の反応はあまり良くなかった。

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